危険運転罪について【中国風険消息(中国リスク関連情報 2016年1月)】
2016.1.1
1.はじめに
公安部が発表した最新のデータによると、2015年10月末時点での中国全土の自動車保有台数は2.76億台で、そのうち乗用車は1.69億台である。自動車免許取得者は3.22億人を超え、そのうち乗用車の免許取得者は2.75億人となっている。また、直近5年間をみると、毎年平均1,600万台の自動車が増加している。自動車保有台数の伸びや運転に不慣れな運転者の増加に伴い、危険な運転等による交通事故の件数も増えており、これらがメディアを賑わすことも増えてきた。
このような状況を背景に、2011年5月には、「中華人民共和国刑法」の第133条で「危険運転罪」が追加され、「競争運転を行い、情状が悪質である場合」と「酒酔い運転をした場合」には刑事罰に問うことが盛り込まれた。さらに、2015年11月には危険運転罪の適用範囲が拡大され、「学校送迎バスあるいは旅客運送業務に従事し、かつ大幅な定員超過あるいは大幅なスピード違反をした場合」と「危険化学品安全管理規定に違反して危険化学品を運送し、公共の安全を脅す場合」にも危険運転罪に問われることとなった。また、このような法令の整備に加え、公安部は2012年から毎年12月2日を「全国交通安全日」と定め、“危険運転を排除し、安全に出掛けよう”をテーマをとして、中国全国民に安全運転の啓発を推進している。
本稿では、中国でいま関心が高まっている「危険運転」をテーマに、危険運転罪の概要、中国における自動車の所有者および管理者の責任、さらに企業が取るべき対策について解説を行う。
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