2020年度 No.5「タイにおける労働安全衛生の概要」
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2020.3.1
要旨
- タイでは毎年10万件近い労災が発生しており、約600人が死亡している。
- 労働安全衛生環境法の中で、労災を減らすための雇用者・従業員の義務が明示されている。
- 危険因子が存在する環境では、安全管理のルールが定められている。
以下は表は2014年から2017年までの4年間に発生した労働災害発生件数です。
負傷事故件数のワースト1位は切傷・刺傷(毎年2万件以上)、2位は落下物の衝突による負傷(毎年約15,000件)、3位は運搬物等の衝突による負傷(毎年約13,000件)です。また原因として最も多い のは機械や工具によるケガで、毎年2万件以上発生しています。体の部位別では指と目のケガが多くなっています。一方で死亡事故件数のワースト1位は交通事故、2位は墜落・転落、そして3位は感電です。 死亡事故の多くは、頭部や臓器の損傷によるものです。
1. 労働安全の原則
労働安全衛生環境法(B.E.2554)に基づき、雇用者は安全・衛生的かつ環境に配慮した職場環境を提供・維持する必要があり、また従業員が生命・身心の健康を損なわないための従業員による取り組みの支援および促進が義務付けられています。 一方で従業員は、従業員および事業所の安全を確保するために、雇用者と協力して労働安全衛生および環境改善のための運営および促進について努力をしなければなりません。また、労働環境を悪化するような職場の状況を把握した場合には、 直ちに安全管理者、監督者などに報告する必要があります。
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