レポート/資料

デング熱の流行と対策【インターリスクタイレポート 2019年度 No.9】

2019.4.1

【要旨】

  • デング熱は東南アジア地域で毎年流行しており、感染者は増加傾向にあります。
  • 主に雨季の都市部で感染者数が増加します。
  • 蚊によって媒介され、医療行為を除いてはヒトからヒトへ感染することはありません。
  • デング熱を発症した人の1%程度が重症化します。
  • 一度感染した血清型に対しては免疫ができるためその後感染することはありません。
  • 蚊に刺されない、蚊を発生させないことが唯一の対策です。

1. 東南アジア諸国におけるデング熱の流行

日本では2014年に69年ぶりとなる国内感染が確認され大きなニュースとなったデング熱ですが、東南アジア諸国では毎年多数の感染者が確認されています。2018年はフィリピン 69,088件*1(7月28日時点)、マレーシア 57,371件*2(10月11日時点)、ベトナム 48,607件*3(8月24日時点)、タイ 41,360*4件(10月11日時点)の感染が確認されており、日本人駐在員および家族も罹患しています。

World Health Organization(以下、WHO)の調査によれば、2016年にタイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンの5カ国で確認されたデング熱の感染数は約600,000件、死亡者は約2,500名に上ります。

図1、2に示す1990~2016年のデータから、感染数は増加傾向に、死亡者数も年によって変動が激しいものの横ばい~増加傾向にあることが分かります。5カ国の中ではインドネシアとフィリピンの感染数が多く、マレーシア、タイが続きます。

全文はPDFでご覧いただけます