レポート/資料

ピロゲン・エアロゾル消火設備の誤作動による事故【インターリスクタイレポート 2016年度 No.4】

2016.3.1

状況

3月13日21.30時頃、チャトチャック区にあるラチャダーピセック道路のサイアム・コマーシャル銀行(SCB)本店があるSCBパークプラザの地下2階の駐車場で死傷者が出たという通報がありました。

警察の調査によると事故が発生したのは34階建ての同建物の駐車場である地下2階で、換気用ダクトと駐車場の出入口付近で大量の煙が発生していました。この事故による被災者は死者8名、負傷者7名となっています。原因は消火システムが誤作動し室内が酸欠状態になったことによる窒息と思われています。作業者は消火装置が誤作動した際に外部に助けを求めていましたが、事故現場の部屋は施錠されており権限者以外は開錠できなかったため避難することが出来ませんでした。またそのため救助活動に時間がかかったことで被害が拡大したと思われます。事故発生現場では警察が調査を継続しています。

事故の原因

作業が実施されていた部屋には「ピロゲン・エアロゾル」というガスを使用した自動消火システムが設置されていました。ピロゲンはロケットの固体燃料技術を応用したガスで、窒素などの不活性ガスを含有しているため、消火活動エリアの酸素量を減らして消火することが出来ます(窒息消火)。固体の状態では安定しており有害性はありませんが、電気や熱で活性化して一酸化炭素などが生成されます。

今回の事故では作業中に同ガスが噴出したことで作業員が窒息したと考えられています。

SCBによると、事故の発生原因は同消火システムの改良作業を実施していた外注業者の不注意によるとのことです。

ピロゲン自動消火システムの安全性

ピロゲンガスは発熱により一酸化炭素と二酸化窒素を発生しますが、ピロゲンガス自体に人体有害性はありません。しかしながら、長時間暴露することで以下のような影響が出てくると言われています(MSDSより)。

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