レポート/資料

台風Dianmuによる大雨と洪水【インターリスクタイレポート 2021年度 No.5】

2021.9.1

概要

  • 先週末、台風Dianmuの影響で、タイの北部、北東部、中部を中心に大雨が降りました。
  • タイ災害防止軽減局(DDPM:Department of Disaster Prevention and Mitigation)によると、9月中旬のモンスーンによる大雨と台風Dianmuの影響により、27の県で58,977世帯が洪水の被害を受けています。
  • DDPMによると、北部のSukhothai県と中部のLopburi県で深刻な被害が発生しています。
  • チャオプラヤ川上流域における一部主要ダムの水量は、9月の1か月間で急激に増加しました。
  • チャオプラヤ川の水位は、いくつかの観測地点で"Critical(警告)"レベルに達しています。今後、ダムからの放水量が増加した場合、河川の水位はさらに上昇する可能性があります。

台風Dianmuによる大雨

※台風Dianmuは9月25日に低気圧になったため、正確には全ての降雨が「台風」の影響によるものではありませんが、本ニュースでは台風Dianmuの影響と表現します。

台風Dianmuの影響により、9月23日から26日頃にかけて、タイ北部、北東部、中部を中心に大雨が発生しました。9月24日、25日、26日の日降水量マップを下図に示します。9月24日、25日には、タイ北部、 北東部、中部、東部で、日降水量100mm~200mmの雨が観測されています。

洪水による被害

災害防止軽減局(DDPM)によると、タイ北部のSukhothai県で7,392世帯、中部のLopburi県、Chaiyaphum県でそれぞれ37,451世帯、453世帯が洪水による被害を受けています。

下図は、GISTDA(Geo-Informatics and Space Technology Development Agency)が公表している過去7日間(9月21日~9月27日)の浸水エリアマップ(内水氾濫、鉄砲水を含む)です。同図によると上記3県の他、Phitsanulok県、 Phichit県、Phetchabun県、Nakhon Sawan県、Nakhon Ratchasima県、Prachinburi県、Ayutthaya県等でも洪水が発生しています。Nakhon Ratchasima県では、一部の貯水池で水量がキャパシティを超えたため、県政府から警告が発せられています。

全文はPDFでご覧いただけます