企業グループにおけるリスクマネジメント態勢構築のポイント【企業リスクインフォ(2011年2月)】
2011.2.1
1. 企業グループの事業形態の多様化
昨今の目まぐるしい事業環境の変化に合わせ、企業グループの事業形態は、会社分割、合併、アウトソーシング、海外企業の買収等を繰り返し、多様化している。その結果、同じグループ内企業であっても、各社のリスク情報をほとんど把握できていないという例も少なくない。取扱う商品・サービスが異なれば、リスク状況はもちろん異なるし、また、同じ商品・サービスを取扱う場合でも、その川上に位置するのか川下に位置するのか(製造会社か販売会社か)で、リスク状況は大きく異なる。さらに、買収した会社や海外の会社のように企業文化や事業環境が大きく異なる会社であれば、なおさらリスク状況は異なり、その状況把握も困難となる。このように、企業グループの事業形態の多様化に伴い、グループ各社のリスク情報も多様化してきており、グループ内におけるリスク情報の把握がますます困難になってきていると言える。
2. 企業グループ全体でのリスクマネジメント態勢構築の重要性
一方で、サプライチェーンの強化等による効率化追及の結果として、グループ各社において顕在化したリスクが、グループ全体に影響を及ぼす事例も珍しくなく、グループ全体でのリスクマネジメント態勢の構築を課題と感じている企業は増えてきている。グループ内における重要リスクは何であるのか、そのリスクが顕在化した際の影響はどの程度なのか、また、そのリスク対策の推進状況はどの程度なのか等、グループ内における重要リスクを把握し、漏れや無駄の少ないリスク対策を推進していくことは、企業グループにおける重要な課題のひとつである。
また、グループ各社で何らかの危機事象が発生した際に、その危機事象について「分からない」「把握していない」というような状況では、ステークホルダーに対する説明責任が果たせない。危機が発生した際に、その危機事象に関する状況を早期に把握できる程度の緊急時態勢が構築されていることは、ステークホルダーから最低限求められているレベルであると思われる。
グループ各社におけるリスクマネジメントの推進主体は、それぞれの会社であったとしても、グループ全体での重要リスクの把握と、危機発生時における危機情報の把握については、企業グループにおける中核企業の役割であり、ステークホルダーからも強く要請されている項目であると言える。
さらに、このような企業グループ全体におけるリスクマネジメント態勢の構築は、会社法第362条、及び会社法施行規則第100条により、大会社(資本金5億円以上、または負債総額200億円以上の株式会社)に対して求められている法的な要件であり(企業集団としての内部統制の構築)、企業グループにおける中核企業の義務であると言える。
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