レポート/資料

アセアン(ASEAN)における労働災害の傾向と対策【アジアリスク情報 2014年度 No.2】

2014.9.1

1. はじめに

労働災害は、コスト面や生産性だけではなく、労働者のモチベーション、企業イメージの低下など様々な問題に波及する可能性があります。アセアン諸国においても、地域経済力の向上、労働者の安全意識や権利意識の向上に伴い、労災リスクが労務管理の重要課題としてより重視されるようになっています。実際に重大災害が発生した場.、関連当局による調査は厳しくなっており、原因究明・再発防止策確立まで操業停止が長期間にわたるケースもあります。弊社がアセアン諸国の工場等をリスク調査で訪問する際にも、労働災害防止への関心が高まっていることが感じられます。

アセアン諸国では、労働災害に関する情報を詳細かつタイムリーに開示している国が.ないのが実情です。その中で、シンガポール・マレーシア・タイの3カ国について労働災害の発生状況に関する情報を集計しました。各国の統計では数値の集計方法等が必ずしも一致していないことから、数値だけで単純に比較したり結論付けたりすることは困難ですが、一定の傾向値としてとらえることは可能かと考えます。

2.労働災害の発生状況

3カ国の数値について、より具体的なイメージを持てるように、まずは日本の状況、そしてシンガポール、マレーシア、タイの順に記載します。

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