2012年度 特別号 「【速報】BCMの国際規格「ISO22301」正式承認」
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2024.3.29
BCMに関する国際規格「ISO22301」の最終ドラフトが、ISOの技術委員会TC223で投票にかけられ、今年の4月初旬に承認されました。そこで本稿では早速、この規格の概要について紹介します。
なお本稿は、執筆時点で入手可能な最終ドラフトISO/FDIS 22301に基づいて執筆しています。したがって今後発行される本規格の正式版とは細部が異なる可能性があります(1)。また規格本文の日本語訳は、筆者による参考訳です。
1. ISO22301はどのような規格か
本規格の名称は「Societal security - Business continuity management systems - Requirements」(社会セキュリティ - 事業継続マネジメントシステム - 要求事項)であり、BCMS(事業継続マネジメントシステム)に関する認証基準として用いられることを前提とした規格となっています。BCMSの認証に用いられる規格としては、英国国家規格のBS25999-2があり、日本国内でも約30の組織が、この規格に基づいて認証を取得していますが、これと同じ役割を担う規格がISOによって開発されたことになります。
この規格について、まず押さえておくべきポイントは次の二点です。
(1) 基本的な内容はBS25999-2に近い
ISO22301とBS25999-2の目次を比べると、文書構成が大きく異なるため、全く別物の文書であるという印象を受けるかも知れません。しかし具体的な記述内容を見比べてみると、基本的な内容はさほど大きく変わっていないことが分かります。ただし具体的な要求事項や、一部の用語の定義等については、若干の追加や変更がありますので、ひととおり確認しておく必要があります。
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