レポート

PLレポート(食品)<2024年7月号>

2024.7.3

紅麹関連製品への対応に関して、内閣官房は2024年5月末に「機能性表示食品制度等に関する今後の対応」の方針を公表しました。その内容とは?

食品衛生や食品安全に関する最近の主要動向を国内トピックスとして紹介する「PLレポート(食品)」では、2024年7月号で以下のようなトピックを取り上げています。

  • 農林水産省「食品製造現場におけるロボット等導入及び運用時の衛生管理ガイドライン」を公表
  • 内閣官房関係閣僚会合「機能性表示食品制度等に関する今後の対応」を取りまとめ
  • 解説コーナー:食品安全マネジメントシステムFSSC22000 V6への対応における留意点 第1回 審査対象組織に対する要求事項の主な変更点

ここでは以上のトピックの中から、紅麹関連製品に関して内閣官房が公表した今後の対応方針についてのトピックの一部をご紹介します。

内閣官房関係閣僚会合「機能性表示食品制度等に関する今後の対応」を取りまとめ

内閣官房は2024年5月31日、同日に行われた紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合において、「機能性表示食品制度等に関する今後の対応」の方針を公表した。本対応方針の概要は図表のとおり。今後、パブリックコメントなどの所定の手続きを経て、食品表示基準、食品衛生法施行規則等が改正される見込み。

図表 機能性表示食品制度等に関する今後の対応

1.健康被害の情報提供の義務化

  • 事業者(届出者)は、健康被害と疑われる情報(医師が診断したものに限る)を把握した場合は、当該食品との因果関係が不明であっても速やかに消費者庁長官及び都道府県知事等に情報提供することを、食品表示基準における届出者の遵守事項とする。
  • 提供期限について、重篤度等に対応した明確なルールを設ける。
    →これらを遵守しない場合は、食品表示法に基づき、機能性表示を行わないよう指示・命令する行政措置を可能とする。
  • 機能性表示食品を製造・販売等する営業者(届出者)に対しては、都道府県知事等への情報提供を、食品衛生法施行規則において義務付ける。
    →義務に違反した場合は、食品衛生法に基づき、営業の禁止・停止の行政措置を可能とする。
  • 都道府県知事等に提供された健康被害の事例については、厚生労働省に集約し、医学・疫学的に分析・評価を行った上で、定期的に結果を公表する。

2.機能性表示食品制度の信頼性を高めるための措置

(1)GMP の要件化

  • 機能性表示を行うサプリメントについてはGMP に基づく製造管理を食品表示基準における届出者の遵守事項とする。
  • 届出者が自主点検をするとともに、必要な体制を整備した上で消費者庁が食品表示法に基づく立入検査等を行う。

(2)その他信頼性の確保のための措置

  • 新規の機能性関与成分に係る機能性表示の裏付けとなる安全性・機能性の課題について科学的知見を有する専門家の意見を聴く仕組みの導入等、消費者庁における届出時の確認をより慎重に行う手続(販売前提出期限の特例)を食品表示基準に明記する。
  • 届出後の定期的な自己評価・公表など、届出後の遵守事項の遵守を要件化する。
  • PRISMA2020 の準拠について令和7 年4 月からの新規届出から導入する。
  • 事後チェックのための買上げ事業の対象件数を拡充する。
  • 特定保健用食品(トクホ)との違いや、摂取上の注意事項の記載方法などの表示方法や表示位置などの方式を見直す。

3.情報提供のDX化、消費者教育の強化

  • 食品衛生申請等システムを改修し、届出者が健康被害の情報提供を速やかに行うことができるシステムを構築するとともに、行政において類似事例等について迅速に集計・分析できるようにする。
  • 販売中の機能性表示食品に関する安全性や機能性に関する科学的根拠等の情報が消費者目線で使いやすくかつ分かりやすく提供されるよう、消費者庁ウェブサイトのDX化等の対応を強化する。
  • 機能性表示食品等の摂取について、医薬品等との相互作用や過剰摂取等のリスクに関するリスクコミュニケーションを進めるとともに、機能性表示食品を正しく理解し、健康の増進維持のために活用することができるよう、消費者教育を強化する。

    4.国と地方の役割分担

      1. 複数の重篤例又は多数の健康被害が短期間に発生するなど緊急性の高い事案であって、
      2. 食品の流通形態などから広域にわたり健康被害が生じるおそれがあり、全国的な対応が求められるもの

        のうち、健康被害の発生機序が不明であり、その特定のために高度な調査が必要だと国が判断した事案については、都道府県等と連携しつつ、必要に応じて国が対応する。

        出典:紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合「紅麹関連製品に係る事案を受けた機能性表示食品制度等に関する今後の対応」をもとにMS&ADインターリスク総研が作成

        本対応方針を踏まえ、既に法改正に関する具体的な議論が始まっており、機能性表示食品等を扱う事業者においては、こうした議論や法改正の動向を把握することが求められる。また、法令改正への備えとあわせて、この機会に以下の内容を踏まえ、社内の体制や取り組みについて見直しを検討されたい。

        1. 健康被害情報の収集、行政機関への情報提供等
          健康被害の原因の特定に注力した結果、行政機関への報告が後回しになり、被害が拡大したケースは少なくない。今後の法改正により報告基準が明確化されることで、条件に該当する場合、躊躇なく行政機関に報告できるようになることが期待される。
          一方で、食品事業者に期待されるのは、法改正を受けてから、本対応をすれば良いということではない。現在の食品衛生法第6 条2 項の趣旨を踏まえても…

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