レポート/資料

タイの渇水・洪水情報 (インターリスク タイ洪水レポート 2023年 No.3)

2023.10.12

見どころ
ポイント
  • 先月(2023年9月)末と比べて、特に中部と北部地域では同じような雨が継続しています。
  • 11月の天気予報によると、特に高地では雨が大幅に減少し気温も下がる一方、南部では雨量が依然として多いことが示されています。
  • タイ国土の多くの地域、特にスコータイとピサヌローク等の北部地域で洪水が発生しています。アユタヤの洪水堤防の外側の一部の地域も浸水による影響を受け始めている状況です。
  • Chao Phraya川と主要ダムの貯水レベルは先月は渇水が心配される状況でしたが、全体として増加傾向に転じました。PasakダムとKwae Noiダムの貯水量は先月と比べ大幅に増加しました。
  • Chao Phraya川の上流域の雨量が増加したため、下流側への放流量は 1,600m3/秒 (警報レベルは 1,500m3/秒) と高まっています。下流域の状況を注意深く監視する必要があります。
  • Ping川、Wang川、Yom川、Nan川の水位は先月からやや増加し、いくつかの地域では水位が危険なレベルに達しています。

降雨量

下図はそれぞれ、(左)2023年1月1日~9月30日における累積降雨量、(中央)2023年1月1日~10月10日における累積降雨量、(右)2023年1月1日~10月10日における累積降雨量の平年(直近30年の平均降雨量)との差を示しています。9月末の状況と比較するとアユタヤ・バンコクを含む中央・北部地域において若干の増加がみられます。北部のランパン、プレー、スコータイ、ピッサヌローク、ウッタラディットの積算雨量が1,200mm台まで増加しています。しかし、平年の降水量との比較では依然として今年の積算降水量は少ない状況です。

図:降雨量の状況(出典:タイ気象庁)

11月の天気予報

各報道によると、11月はタイでは特に北部と東北部において中国から接近する高気圧の影響で気温が下がり、部分的に小雨が降ると予測されています。一方、南部においてはチュムポーン県の東岸エリアにおいて降雨量が多くなり、鉄砲水や河川氾濫の発生につながるおそれがあります。タイ南部に北東モンスーン風が断続的に吹くため、波の高さはタイ湾で2~4メートル、アンダマン海で1~2メートルになる可能性があります。

全体的な降雨量は中部と東部を除いて平年並みと予測されています。バンコクと首都圏では、降水量が平年よりやや多くなり…

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