製品安全4法の改正案が成立 今後、具体的な規制の中身が明確に
2024.9.26
製品安全4法※1の改正案が2024年6月19日に国会で可決・成立し、同月26日に公布されました。近年、インターネット取引の拡大に伴い、国内外の事業者がネット上の取引デジタルプラットフォーム(以下、取引DPF)を通じ、国内消費者に製品を販売する機会が増えています。
その一方で、(1)海外事業者が国内消費者に直接製品を販売した場合、製品の安全性について法的責任を有すべき国内の製造・輸入事業者が存在しない、(2)玩具をはじめとした子供用製品の安全性を業界の自主規制に委ねており、海外事業者に対して実効性を欠く、といった問題が指摘されていました。
今回の法改正はこうした課題を踏まえたもので、以下のような規定が盛り込まれました。
インターネット取引の拡大への対応 | 海外事業者の規制対象化(国内管理人の選定) |
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取引DPF提供者に対する出品削除要請等の創設 |
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届出事項の公表制度の創設 |
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法令等違反行為者の公表制度の創設 |
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玩具等の子供用の製品の安全確保への対応 | 子供用の製品に係る規制の創設 |
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子供用特定製品の中古品特例 |
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経済産業省資料「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律の概要(令和6年法律第67号)」に基づきMS&ADインターリスク総研が整理
改正法は2025年末までに施行となる見通しです。
今後、より具体的な規制の中身(たとえば、子供用特定製品にあてはまる製品や、製品ごとの規制内容)が明確になっていくと考えられ、関連する事業者はこうした情報を継続的に収集し、適宜対応していくことが求められます。
出典: 経済産業省「消費生活用製品安全法の一部改正について」
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/shouan/shouan_ichibu_kaisei.html
1)危害発生のおそれがある製品(PSマーク対象製品)を指定し、製造・輸入事業者に対して国が定めた技術基準の遵守を義務付ける一連の法律。消費生活用製品安全法、電気用品安全法などから構成される。
2)国内消費者に危険が及ぶおそれがあると認められ、かつ、その製品の出品者によってリコール等の必要な措置が講じられることが期待できないとき。
3)主として子供の生活の用に供されるものとして対象年齢や使用上の注意を表示することが必要な製品。
4)国内消費者に対する注意喚起や安全確保のための体制整備等が条件となる。
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この記事は「PLレポート(製品安全)<2024年9月号>」(2024年9月発行)の掲載内容から抜粋しています。
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