レポート/資料

PLレポート「製品安全 (2025年3月号)」

2025.3.5

食品衛生や食品安全に関する最近の主要動向を国内トピックスとして紹介する「PLレポート(製品安全)」では、2025年3月号で以下のようなトピックを取り上げています。

  • 経済産業省が「誤使用・不注意による製品事故リスクを低減した製品の表彰・表示制度(+あんしん)」を創設
  • EUの改正製造物責任指令が発効
  • 英国製品安全基準局が製品安全に関する消費者調査結果を公表
  • コラム:ソーシャルインフレーション ―その現状、要因と今後の展望―

ここでは以上のトピックの中から、「経済産業省が「誤使用・不注意による製品事故リスクを低減した製品の表彰・表示制度(+あんしん)」を創設」についてお伝えします。

経済産業省が「誤使用・不注意による製品事故リスクを低減した製品の表彰・表示制度(+あんしん)」を創設

経済産業省は2025年1月31日、令和7年度から開始される「誤使用・不注意による製品事故リスクを低減した製品の表彰・表示制度(+あんしん)」に関するウェブサイトを公開し、制度の創設をアナウンスしました。

この制度は、誤使用や不注意による事故の未然防止につながる設計や機能を備えた製品を表彰するものです。受賞製品は「+あんしん」のロゴマークを表示し、製品の安全性をアピールすることができます。

図 1 +あんしん ロゴマーク

図 1 +あんしん ロゴマーク

審査項目としては、①法令や規格への適合により製品全体の基本的な安全性が担保されているか、②設計や機能によって特定の誤使用・不注意による事故リスクが低減されているか、③リスク低減方策に一定の意義が認められるか、といったものが挙げられています。

2月20日に開催された応募説明会では②の点が特に強調されており、応募者は第三者試験機関の協力を得てリスク低減の根拠となる客観的なデータを示すことや、どの程度のリスクが低減されたかをR-Map※1上で示すことが求められるとのことです。

今後は今年4月から6月にかけて応募製品の募集が行われ、複数の委員会での審査を経て、11月下旬をめどに受賞製品が公表される予定となっています。なお、表彰は2007年から実施されている製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)の一部門(製品部門)として行われます。

「+あんしん」は、PSアワードを受賞した場合とは異なり、受賞製品は製品自体にロゴマークを表示することができます。表彰の初年度はメディアの注目が一際集まることも期待されることから、製品安全への取組を消費者にアピールし、当該製品の差別化を図りたい事業者にとって、応募の価値があると考えられます。

【参考情報】
出所:消費者庁「食品表示法に基づく自主回収の届出状況(運用開始(令和3年6月1日)~令和6年9月末時点)」を基にMS&ADインターリスク総研が作成出所: 経済産業省 誤使用・不注意による製品事故リスクを低減した製品の表彰・表示制度(+あんしん)ウェブサイト
https://www.meti.go.jp/product_safety/ps-award/risksystem/index.html

1)リスクを6×5のマトリックス上で表現するリスクアセスメント手法。一般財団法人日本科学技術連盟が開発した。

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