コラム/トピックス

厚生労働省 カスタマーハラスメント対策の指針案示す

2026.1.16

厚生労働省は2025年12月10日、「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)」を示した。2025年6月に成立し、2026年10月1日に施行予定の改正労働施策総合推進法では、事業主に対して職場におけるカスタマーハラスメント (カスハラ)への対策を義務付けており、本指針案は事業主が適切かつ有効な対策を実施できるよう必要な事項を定めたものである。本指針案は、意見募集を経て2026年2月に公表される見込み。事業主は同法の施行までに、指針の内容に照らして自社のカスハラ対策状況を確認し、しかるべき体制の整備と労働者への周知・啓発を行うことが求められる。

本指針案で示された事業主が講ずべき措置は以下のとおり。具体的な取り組み例や講ずることが望ましい措置等についても本指針案では示されているため、あわせて参照されたい。

<カスハラに対して企業が講ずべき措置の内容>

措置の項目 措置の内容
(1)事業主の方針等の明確化
およびその周知・啓発
  • カスハラには「毅然」とした態度で対応することや労働者を
    保護する旨の方針を明確化し、社内報やトップメッセージを
    通じて、労働者に周知・啓発する。
  • カスハラの内容およびあらかじめ定めたカスハラへの対処の
    内容を労働者に周知する。
(2)相談に応じ、適切に対応
するために必要な体制の
整備
  • 相談窓口を設置し、労働者に周知する。
  • 相談窓口担当者が、カスハラに関する相談を受けた場合にそ
    の内容や状況に応じて適切に対応できるようにする。
(3)カスハラに係る事後の迅
速かつ適切な対応
  • 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認する。
  • カスハラの事実が確認された場合、速やかに被害者に対する
    配慮のための措置を行う。
  • カスハラの発生原因や背景となった問題の改善を図る等の再
    発防止策を講じる。
(4)カスハラへの対応の実効
性を確保するために必要
なその抑止のための措置
  • 労働者に対し過度な要求を繰り返すなど特に悪質と考えられ
    る者への対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知すると
    ともに、当該方針において定めた対処を行うことができる体
    制を整備する。
(5)上記の措置と併せて講ず
べき措置
  • 相談への対応またはカスハラに係る事後の対応にあたって、
    相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ず
    るとともに、その旨を労働者に対して周知する。
  • 労働者がカスハラに関して相談したこと等を理由として、解
    雇その他不利益な取り扱いをされない旨を定め、労働者に周
    知・啓発する。

(厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)」https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001608226.pdf を基に当社にて作成)

※職場におけるカスタマーハラスメント
本指針案において、職場におけるカスタマーハラスメントとは、職場において行われる①顧客等の言動であって、②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素をすべて満たすものと定義されている。

【参考情報】
2025年12月10日付 厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001608226.pdf

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