WBCSDなどが循環経済の国際的プロトコルを公表、気候・自然開示枠組みと連動を志向
2026.2.17
持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)と国連環境計画(UNEP)は2025年11月11日、両者が中心で開発を進めてきた、「循環経済に関する国際的なプロトコル(GCP)」の初版をブラジル・ベレンで開催中の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)で公表した。
GCPは、企業やバリューチェーンにおける循環経済の取り組みを測定・整理するための世界共通の枠組みを目指したもの。企業が、自社の循環性に関する取り組みを国際的に比較可能な形で投資家や取引先に説明しやすくするのが主な目的だ。
GCPは、循環経済の取り組みを、個別の環境施策ではなく、企業活動全体の構造として把握・整理することを求めているのが特徴。具体的に、資源の投入段階から製品・サービスの設計・利用・回収・再利用に至るまでの一連のバリューチェーンで、どの段階で循環性が確保されているのか、またどの工程に構造的な課題が存在するのかなどを明らかにする必要がある。循環経済の実装状況を社外のステークホルダーが把握するためには、リサイクル率や再生材使用量といった単一指標の開示だけでは不十分で、企業がどのような事業構造・調達構造のもとで資源循環を組み込んでいるかを体系的に示すことが重要という設計思想に基づいている。
また、GCPは、TCFDやTNFDなど既存の開示・評価フレームワークとの整合性や相互運用性を考慮した設計になっている。すでに気候変動や自然資本分野で情報開示や内部管理を進めてきた企業には、既存のデータやプロセスを活用しながら循環性を整理・説明することが可能だ。投資家や金融機関などが、循環経済に関する情報を他のESG情報と同様に比較可能な形で把握し、意思決定の参考材料に活用することも想定する。
日本の環境省もGCPの開発に関与した。資源循環分野における国際的なルール形成への参画を通じ、日本企業が循環経済の取り組みを他国と共通の枠組みで整理し発信できる環境づくりを進めたい考えだ。
図:GCPの概要(環境省報道発表 添付資料抜粋)


出典:2025年11月12日付 環境省 報道発表資料 https://www.env.go.jp/press/press_01698.html
【参考情報】
2025年11月11日付 WBCSDリリース
https://www.wbcsd.org/news/wbcsd-and-one-planet-network-announce-launch-of-the-global-circularity-protocol-for-business-gcp-at-cop30/
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