コラム/トピックス

CFP算定を“自走”につなげる ー 中堅・中小企業向けワークショップのご紹介

2026.7.3

脱炭素経営への関心が高まるなか、製品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルまでの排出量を見える化するカーボンフットプリント(CFP)への注目が広がっています。

特に中堅・中小企業では、取引先からの要請に応えるだけでなく、自社の削減余地を把握し、競争力向上につなげる観点からもCFP対応の重要性が増しています。

こうした背景を踏まえ、今回はCFPの基礎から算定演習、報告書・表示の考え方までを体系的に学べる「CFP算定ワークショップ」をご紹介します。

この記事の
流れ
  • カーボンフットプリント(CFP)が注目される背景とは
  • 中堅・中小企業に求められるCFP対応
  • CFP算定ワークショップとは?
  • 第1回:CFPの概要とライフサイクルフロー図の作成
  • 第2回:算定演習から報告書・表示までを実践
  • CFPワークショップを活用して“自走”の第一歩を!

カーボンフットプリント(CFP)が注目される背景とは

近年、企業に求められる脱炭素対応は、工場やオフィスで使う電力の削減だけにとどまらなくなっています。原材料の調達から製造、輸送、販売、使用、廃棄・リサイクルまで、製品やサービスのライフサイクルを通じてどれだけ温室効果ガスを排出しているかを示すカーボンフットプリント(CFP)の考え方が、さまざまな業界で注目されています。

CFPが重視される理由は、排出量を「見える化」できることにあります。自社のどの工程で排出が多いのかを把握できれば、削減の優先順位が明確になり、具体的な改善策につなげやすくなります。さらに、製品ごとの環境負荷を示せることから、取引先や消費者に対する説明力の向上にもつながります。

つまりCFPは、単なる環境対応ではなく、企業の競争力や信頼性を高めるための重要な指標として位置付けられつつあります。

企業の競争力や信頼性を高めるための重要な指標として位置付けられつつあるCFP

中堅・中小企業に求められるCFP対応

CFPへの対応は、大企業だけの課題ではありません。サプライチェーン全体で脱炭素化が進む中で、中堅・中小企業にも、取引先から排出量の把握や情報提供を求められるケースが増えています。特に製造業、食品業、流通小売業などでは、製品単位での排出量を把握する必要性が高まっています。

一方で、中堅・中小企業では「何から始めればよいかわからない」「算定に必要なデータが社内にそろっていない」といった声も少なくありません。CFPは専門的な印象が強い一方で、実際には、基本的な流れを理解し、算定の考え方を押さえることで、段階的に取り組むことが可能です。

CFP対応は、取引先からの要請に応える“守り”の側面だけでなく、自社の強みを示し、新たな提案や付加価値づくりにつなげる“攻め”の側面も持っています。だからこそ、早い段階で基本を学び、自社に合った進め方を見つけることが重要です。

CFP算定ワークショップとは?

CFP算定ワークショップは、中堅・中小企業がカーボンフットプリント(CFP)を基礎から学び、実務に活かすための研修型ワークショップです。

CFPの概要だけを説明するのではなく、実際に自社で取り組むことを意識した内容になっていることが特徴で、フロー図の作成や模擬算定などの演習を通じて、実務に近い形で理解を深められるよう設計しています。

ワークショップは全2回の構成で、各回4時間程度を想定して実施します。第1回ではCFPの基本や事例を学びながらフロー図作成を行い、第2回では算定演習や報告書・表示に関する内容を扱うことで、参加企業がCFPの活用に向けて自走できるよう支援します。

ワークショップの内容のイメージ
第1回
CFPの概要と研修の目的 気候変動とCFPの概要説明
CFP活用事例紹介 BtoB、BtoC各領域の削減事例を通じた意義の理解
CFPの「攻め/守り」の概念解説
ライフサイクルフロー図作成演習 例題の設定に基づき、各自がライフサイクルフロー図を作成
共有・講評 講師フィードバック(実務上の留意点含む)
流通・販売以降のシナリオの考え方
第2回
算定の手順 入力項目、データベース、排出係数の選択、入力方法を説明
模擬算定演習 前提データをもとに模擬算定/結果レビュー
報告書・表示・削減 算定報告書・チェックリスト、表示ガイドラインの説明
総括と実務導入計画作成 研修の振り返りと社内導入に向けたステップを検討

第1回:CFPの概要とライフサイクルフロー図の作成

ワークショップ第1回では、まずCFPの基本的な考え方と、その背景にある気候変動対応の流れをわかりやすく整理します。あわせて、実際の企業活動においてCFPがどのように活用されているのかを、BtoB, BtoCそれぞれの領域で事例などを交えて紹介します。

これにより、CFPが単なる算定作業ではなく、営業・開発・調達など幅広い業務に関わるテーマであることを理解できます。

そのうえで行うのが、ライフサイクルフロー図(LCF図)の作成演習です。これは、製品やサービスの原材料調達から出荷、流通、使用、廃棄に至るまで、どの段階でどのような排出が発生するのかを整理する作業です。図にして可視化することで、算定対象の全体像がつかみやすくなり、抜け漏れの防止にもつながります。

講師からのフィードバックでは、実務で見落としやすいポイントや、流通・販売以降をどのように考えるかといった実践的な視点も取り上げます。初めてCFPに触れる企業でも、ここで基本の“型”をつかむことができる内容です。

ライフサイクルフロー図イメージ

ライフサイクルフロー図イメージ
ライフサイクルフロー図イメージ

出典:CFP入門ガイド(2025年3月環境省)

第2回:算定演習から報告書・表示までを実践

第2回では、CFPの理解を実務に落とし込むために、いよいよ算定の手順を具体的に学びます。

まず、どの情報を入力するのか、どのデータベースや排出係数を選ぶのか、入力時に注意すべき点は何かといった基本を確認します。CFP算定では、データの選び方によって結果の精度や比較のしやすさが変わるため、考え方を正しく理解することが大切です。

続いて、前提条件をもとにした模擬算定演習を行います。実際に数値を当てはめながら算定を進めることで、頭の中だけではわかりにくい流れが具体的にイメージできるようになります。また、算定結果をどう読み解くかを学ぶことで、単に数値を出して終わるのではなく、改善につなげる視点も身につきます。

さらに、算定後に必要となる報告書の作成や表示の考え方、チェックリストの活用、削減の進め方についても取り上げます。CFPは算定して終わりではなく、社内外にどう伝えるか、どう次の改善につなげるかまで含めて活用することが重要です。

CFPワークショップを活用して“自走”の第一歩を!

ワークショップの目的は、CFPの知識を学ぶことではなく、自社で継続的に活用できる体制づくりの第一歩を踏み出すことにあります。

CFPは調達・製造・営業など複数の部門が関わる取り組みだからこそ、まずは対象や範囲を絞って小さく始めることが重要です。取り組みを進める中で排出量の大きい工程や改善余地が見えてくれば、脱炭素だけでなく、コスト削減や業務改善にもつながります。

ワークショップをきっかけに、自社に合ったCFPの進め方を描き、実践へつなげていくことが、持続的な脱炭素経営への第一歩となります。

MS&ADインターリスク総研では、「CFP算定ワークショップ」を実施しています。

取引先からの要請に応えるだけでなく、自社の削減余地を把握して競争力向上につなげる上でも、ワークショップは有効な手段の1つです。

組織・企業規模に関わらずCFPを基礎から学んで実践まで取り組みたいとお考えの皆さまは、お気軽にご相談ください。

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