外国人雇用で日本語理解が労使双方で課題 厚労省「2025年外国人雇用実態調査」
2026.9.30
厚生労働省が8月31日に公表した2025年外国人雇用実態調査によると、技能実習など外国人労働者を雇用する企業で「コミュニケーションが取りにくい」とする回答が増えた。同時に、外国人労働者側の一部でも、日本語の理解を課題とする回答が増えた。日本語能力よりも技能レベルを採用時に重視する企業の傾向もみられた。外国人雇用に関して、言語が企業にとって引き続き課題であることが分かった。
この調査は、外国人労働者の雇用実態を把握するため、雇用する企業と雇用される労働者の双方に聞き取っているのが特徴。
企業のうち「日本語能力等のためコミュニケーションが取りにくい」と回答した企業は46.2%(前年43.9%)に増加。また、労働者のうち、日本語読解が「N5(基本的な漢字を含む日常的な短い文章が理解できる)」レベル相当および「ほとんどわからない」の割合が、全体では前年度とほぼ同じだったが、技能実習では5.4ポイント増の48.1%だった。
一方、採用時に「求める日本語レベルを満たせば採用する」とした企業が63.8%(同68.0%)に低下したのに対し、「求める技能レベルを満たせば採用する」は58.6%(同55.9%)、「長く働ける見込み」は40.0%(同36.9%)にそれぞれ上昇した。
人材確保の困難度が増す中、日本語能力よりも即戦力や定着する可能性の高い人材を重視する企業の増加がうかがえる。一方で、日本語能力の相対的な低下は、雇用条件などの誤解や労災リスクの増加などの懸念を伴う。受入れ企業には、外国人労働者へのより分かりやすい情報提供と理解の綿密な確認が必要になるだろう。契約期間や労働条件、安全上の注意や困ったときの相談先など、伝達不足で本人に不利益を生じさせない配慮が求められる。
他の質問では、企業が外国人を雇用する目的は「労働力不足の解消・緩和のため」が68.2%(同69.0%)で最多。次点は、「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」の56.2%で、昨年から1.5ポイント増加した。「事業所の他の外国人労働者の支援・管理能力向上を期待して」も全体で6.4%(同4.8%)に増加したが、特に建設業が6.6%(同3.6%)と大きく伸びた。外国人労働者が増える現場での意思疎通の改善のため、母語による説明や指導を担う人材への期待を反映した可能性がある。
雇用形態では、無期の正社員が40.6%(同41.4%)にやや低下する一方、有期の非正規は33.6%(同31.9%)に上昇。短時間労働者に限ると、有期非正規の割合は73.9%(同68.0%)に増えた。外国人雇用の拡大とともに、不安定な雇用形態の割合が増えている。日本語理解の低下傾向も踏まえると、外国人労働者の就労環境の悪化につながる懸念もある。
なお、今回調査でも、就労上のトラブル発生を経験する外国人労働者の回答は10%で、前年とほぼ同じ。トラブルの内容では、「紹介会社の費用が高い」が22.2%のほか、「事前に説明された以上の日本語能力を求められた」「相談先が分からない」「事前の説明と実際の仕事内容が違う」などがあった。
【参考情報】
2026年8月31日付 厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75722.html
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