PLレポート 製品安全(2013年7月)
2013.7.1
国内のPL関連情報
■弘前市:破裂事故と同型の防犯ブザーを回収
(2013年5月16日 毎日新聞)
弘前市教育委員会は5月15日、市内37校の小学1~3年生に配布されている防犯ブザー3,804個の回収を開始したと発表した。これは、同7日に徳島県で発生した同型の防犯ブザー1個の破裂事故に対応したもの。
防犯ブザーに関しては、関係省庁、防犯・教育関連団体、および(社)電池工業会等が、主に子供が携帯する防犯ブザーの安全性確保に向けた取り組みを行い、その結果として(社)電池工業会が、電池工業会規格「SBA S1602防犯ブザー」を2006年に制定(2009年改正)している。また、(財)全国防犯協会連合会は、本規格を基に試験をした合格品を「全国防犯協会連合会推奨品」として推奨している。
事故が起きた防犯ブザーも同連合会の推奨品であり、輸入元は「破裂の原因は、4個のボタン電池を収納する電池ボックスのうち、何らかの理由により一箇所の端子板が折れ曲がって電池の+極と-極をまたいでショートしたため。」としている。
■温風吹出口から火花が出たセラミックファンヒーター
(2013年5月23日 国民生活センター)
国民生活センターは、「セラミックファンヒーターのスイッチを入れたところ、ボンと音がして温風吹出口から火花が出た。原因を調べてほしい。 」という依頼を受け、当該品の調査と再現試験 を行った。
本事故は購入後初めて電源スイッチを入れた際に温風吹き出し口から火花が出たというもので、 事故品は外観に異常はみられなかったが、分解すると内部ヒーターに焼損跡や内部電気配線に異 物付着が確認された。
内部電気配線に付着していた異物を分析した結果、ハンダであることが判明。溶融状態のハンダが製造工程で落下したことが想定された。ヒーター部の焼損状況からハンダと同様の導電性物質がヒーター部の電極間に落下したことが想定されたため、ヒーター部にハンダ片を挟み込んだ再現試験を行ったところ、事故品と同様の焼損状態が再現された。
■ポジティブリスト制度の対象農薬に対する食品中への残留基準値の一部改正
(2013年5月15日 厚生労働省)
5月15日、厚生労働省では、食品に残留する農薬等に関する新しい制度(ポジティブリスト制度)対象農薬の一部に関して食品中への残留基準値を改正した。具体的には、アラクロール他12種類の農薬等に対し、動物を用いた毒性試験結果等の科学的なデータに基づき、対象食品となる穀物や野菜、動物食用部分等の残留基準値をそれぞれ改正した。下表に、今回の改正内容の一部抜粋を示す。なお、農薬等の化学分析に関する試験方法については、後日、別途通知される。
ここがポイント
平成15年5月の食品衛生法改正により、すべての農薬等(農薬、飼料添加物及び動物用医薬品)について、残留基準値を設定し、基準値を超えて食品中に残留する場合には、厚生労働省が事業者に対してその食品の販売禁止を命じることができるようになりました。
ポジティブリスト制度施行時に定められた農薬等の食品等への残留基準値については、法律施行後も、その影響の評価を薬事・食品衛生審議会で検討し、必要に応じて基準値の見直しを順次進めており、すでに本年 3 月にも 15 種類の農薬等の残留基準値が見直されています。
海外のPL関連情報
■カナダ保健省が消費者用製品について初の強制リコールを実施
カナダ保健省(Health Canada)は、本年6月20日、強力な小型磁石を使用したデスク製品※について、消費者用製品に関してカナダで初めて強制リコールの実施を発表した。
当該製品は5mm程度の小さな球状のレアアース磁石の集合体で、多数の磁石を組み合わせることにより様々な形を作ることができる大人向けデスク製品だが、子供が複数の磁石を誤飲した場合、体内で磁石が引き合い腸の閉塞や穿孔など重大な事態となる。
ここがポイント
今回の強制リコールの対象は、昨年7月に米国消費者製品安全委員会(CPSC)が行政上の告発を行った対象製品と同じ又は類似の製品です。(CPSCによる行政上の告発については、本誌2012年度第6号「米CPSCが強力磁石を使用したデスクトップ製品の製造業者を告発」を参照)
■GAOがEPAによる化学物質の安全政策に関して非現実性を指摘
米国会計検査院(GAO)は、本年4月29日に発表した報告書※の中で、米国環境保護局(EPA)が潜在的に有害な可能性のある化学物質の評価を行う計画について、時間がかかり過ぎており、非現実的かつ非実践的である旨を指摘し、EPAは化学物質の安全性確保に積極的な役割を果たす上での障害を特定し、必要な資源を含めて戦略を立て直すべき、としている。
http://www.gao.gov/assets/660/653276.pdf
"EPA Has Increased Efforts to Assess and Control Chemicals but Could Strengthen Its
Approach"
ここがポイント
報告書によると、EPAは2012年に83の化学物質について、有害物質規制法に基づきリスクアセスメントを行うことを公表しましたが、着手されたのは7つの化学物質のみで、18の物質について2013年と2014年にリスクアセスメントが開始実施される予定であり、仮にこのペースが続くと、83の物質の評価に最低でも10年以上を要することを指摘しています。
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