PLレポート 製品安全(2012年12月)
2012.12.1
国内のPL関連情報
■消費者安全調査委員会が発足
(2012年10月1日 日本経済新聞 他)
消費者の身の回りで起きる製品事故や食品被害などの原因を究明する消費者安全調査委員会(事故調)が10月1日発足した。
調査にあたっては事業者からの報告徴収や立入などの権限を持ち、結果に基づき内閣総理大臣に対して勧告や意見具申ができる。
事故調は非常勤の委員7人で構成され、審議会形式をとる合議制の組織となっている。各委員には独立した職権があたえられ、生命身体に関する消費者事故について調査・原因究明し、その結果を評価検討し事故の拡大・未然防止を図る。調査の対象となる分野は運輸安全委員会が担当する航空・鉄道・船舶を除く「製品」、「食品」、「施設」、「役務」(サービス)など幅広く対応する。
事故調は11月6日消費者庁内で2回目の会合を開き、2006年に東京都港区で起きたエレベーターによる死亡事故など5件を、発足後初の調査対象に選定した。
■強力な洗浄剤等の移替えによる事故の防止について
(2012年11月2日 独立行政法人製品評価技術基盤機構)
10月19日深夜に東京メトロ丸の内線車内で発生した、洗浄剤を入れた蓋つきアルミ缶の爆発事故を受けて、(独)製品評価技術基盤機構(NITE)は事故の再現実験結果を発表するとともに同種の製品の取り扱いについての注意喚起を行った。
発表によれば、一般に強力な洗浄剤には汚れを落とすために反応性の強い薬品(強い酸性またはアルカリ性を示す)が含まれており、それらの薬品が容器のアルミニウムと反応して爆発に至るという。再現実験では、業務用洗浄剤400mlを入れて密閉したアルミニウム容器を放置したところ約3時間30分後に爆発した(容器内部は樹脂コートにより保護されているためアルミニウムが反応するまでに時間が掛かる)。内部の樹脂コートをはがした容器では約32分後に爆発したほか、蓋を開けた容器では約7時間後に内容物があふれ出ることが確認された。
なお、該当の洗浄剤の容器には「他の容器に移して使用しない」「他の容器に移し替える場合は、弊社指定の容器に移す」旨の注意書きが明記されていた。
■平成23年度輸入食品監視指導結果
(2012年9月19日 厚生労働省医薬食品局)
厚生労働省医薬食品局食品安全部は、本年9月19日付けで平成23年度輸入食品監視指導計画に基づく監視指導結果及び監視統計を次の通り公表した。「輸入届出件数約210万件のうち、91,330件のモニタリング検査を行った結果、違反件数は156件であった。企業による自主検査を含めると、輸入食品に関する法令違反の違反件数は1,257件あり、主だった違反内容と件数は、微生物規格230件、残留農薬226件、有害・有毒物質および病原微生物225件、添加物208件、残留動物用医薬品133件、器具、容器包装規格82件等であった。」
ここがポイント
今回の公表に寄れば、国による輸入食品モニタリング検査による食品衛生法等の違反率は 0.17%(違反数156件/検査数91,330件)であり、違反した場合には積み戻しや廃棄等の措置が取られます。しかし、モニタリング検査は抜き取りにより実施されており、違反食品の一部が市場に流通し、加工原料や商品として販売される可能性は否定できません。
海外のPL関連情報
■連邦最高裁がカナダ企業に対する州の裁判管轄権を否定
米国の連邦最高裁判所は、本年10月9日、個人用船舶の事故に関して、カリフォルニア州の個人用船舶の完成品製造業者が、同船舶に組み込んだ燃料タンクを製造したカナダの部品製造業者に対するカリフォルニア州の裁判管轄を認めるよう訴えていた訴訟において、「カナダの部品製造業者は、部品である燃料タンクを商流にのせ供給はしたものの、特に意図的に裁判地であるカリフォルニア州法の保護と受益をうける行為は行っておらず、一般に裁判管轄を認める条件である"Stream of commerce plus"(商流+α)を満たさない」として、同部品製造業者に対してカリフォルニア州の裁判管轄は及ばない旨を判示した。
ここがポイント
本件は個人用船舶が爆発し、乗船していた9名の加州住民が受傷した事故であり、当該船舶の製造業者がカナダの部品製造業者に対して請求訴訟を起こしていましたが、部品製造業者が裁判管轄の不在を主張し、カリフォルニア州の控訴審にて7月16日裁判管轄の不在が認められていました。
■CPSCが洗濯洗剤の1回使い切りパックに関する注意喚起を公表
米国消費者製品安全委員会は、本年11月、2010年頃から米国市場で発売され急速に普及している洗濯用液体洗剤の1回使い切りパック(Single-Load Liquid Laundry Packets)について、主に子供の誤飲により、意識障害、呼吸障害等を含む傷害事故が2012年だけで500件も発生しているとして、特に子供の誤飲防止の観点からその使用・管理について、CPSCのホームページ等において公式に注意喚起を行った。
ここがポイント
洗濯用液体洗剤の1回使い切りパック(Single-Load Liquid Laundry Packets)は液体の洗濯用洗剤の1回使用分を水溶性の材質でパックしたもので、米国では複数のメーカーから同種製品が発売されています。洗濯の際に計量等の手間がなく、水溶性の材質でパックされておりそのまま洗濯機に投入できることから普及しています。
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