PLレポート 製品安全(2012年8月)
2012.8.1
国内のPL関連情報
■製品安全に関する事業者ハンドブック
(2012年6月25日 経済産業省)
経済産業省は6月25日付で"製品安全に関する事業者ハンドブック"を刊行し、ホームページ上で公表した。(http://www.meti.go.jp/product_safety/producer/jigyouhandbook.html)
このハンドブックは、「経済産業省平成23年度商取引適正化・製品安全に係る事業(製品安全への取組に関する調査研究)」にて、「製品安全に関する事業者ハンドブック検討委員会」(委員長:長岡技術科学大学システム安全系教授、安全安心社会研究センターセンター長の三上喜貴氏、事務局:インターリスク総研)を設置し、委員会における審議結果及び製品安全に関する各種調査結果を踏まえて作成された。
本ハンドブックは、序章と第1章~第5章からなる本体に加え"製品安全に関するチェックリスト"が別途用意されており、上記URLよりダウンロードすることにより自社の製品安全に関する取り組みについて、簡易的に自己評価が出来る仕組みとなっている。
■歯科器具「ゆびガード」欠け、誤飲で男性死亡
(2012年6月3日 中日新聞)
過去の事故で脊髄を損傷し、口から飲食物を摂取できなくなっていた特別養護老人ホームの男性の口を開くために、歯科医が使っていたプラスチック製の器具の先端が欠けて口腔内に落下し、治療を受けていた男性が窒息死した。
このプラスチック製の器具は、自力で口を開けたり、口を開けた状態を続けたりするのが困難な人に対して医療者の指を保護する器具で、樹脂の筒の中に指をいれ患者の歯から指を守るために使われる。国内で約18万3千個が流通し病院や介護施設のほか、インターネット通販購入により一般家庭でも使用されている。
本製品はちぎれて体内に入る事故がこれまでに4件発生し、いずれも取り除き大事には至っていなかったが、今回の事案では、ちぎれた部分はのどの奥に入って見えず、その場で取り出せなかったため老人ホーム側が救急車を呼び、男性を病院に搬送した。エックス線検査などでも体内に入った器具を発見できず、男性の容体にも変化はなかったため、いったん老人ホームに戻ったが、深夜になって男性の容体が急変、翌日未明に死亡した。
■「大量調理施設衛生管理マニュアル」の改正
(2012年5月18日 厚生労働省医薬食品局)
本年5月18日付で厚生労働省医薬食品局食品安全部長より都道府県知事、保健所設置市長および特別区長あてに通知(食安発0518第1号)が発せられ、「 大量調理施設衛生管理マニュアル」については、「大規模食中毒対策等について」(平成9年衛食第85号)別添で示していたが、食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第345号)により添加物として弱酸性次亜塩素酸水が認められたこと及びノロウイルスの不活化に関する知見を踏まえ、本マニュアルの一部を改正する。引き続き、同一食材を使用し1回300食以上又は1日750食以上を提供する大量調理施設、中小規模調理施設等においても、本マニュアルの趣旨を踏まえた衛生管理の徹底を図るようお願いしたい。」旨が示された。
ここがポイント
「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、平成8年の腸管出血性大腸菌O157による食中毒事件の続発等を受けて作成されました。集団給食施設等における食中毒を防止するために、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害分析必須管理点)の概念に基づき、調理過程における重要管理事項が具体的に記載されているほか、調理施設や調理器具、従事者の衛生管理等の点検表が添付してあり、施設や従業員管理ツールとしても確立されています。
海外のPL関連情報
■CPSCの公聴会でリコール制度への指摘が相次ぐ
CPSC(米国消費者製品安全委員会)は、本年6月20日、メリーランド州で開催したCPSCの 製品安全政策に関する公聴会※において、消費者団体など複数の参加者から現行のリコール制度 に関する問題点、特に製品回収率の低さについての指摘が相次いだ。
公聴会で出された意見等については、CPSCがホームページ上で公表。
http://www.cpsc.gov/LIBRARY/FOIA/FOIA12/brief/2014prioritiespres.pdf
ここがポイント
今回の公聴会は、CPSCが2014会計年度のCPSCによる製品安全政策上の優先事項の検討の一環として、消費者団体や産業界などから複数の代表者が出席し、開催されたものです。
この中で、複数の出席者の関心を集めたのがリコール制度の改善の問題であり、例えば、消費者問題を扱う"Consumer Reports"を発行する"Consumers Union"の代表者からCPSCに対してリコールへの一層の取組強化を求め、「CPSC は消費者に対してリコール情報をより確実に伝達するために、多面的なアプローチを検討すべきである。
■米国、EU、中国の製品安全当局が消費者用製品の安全に関し一層の連携強化で合意
本年6月28日から29日にかけ、米国ワシントンにおいて米国、EU(欧州連合)、中国の3地域の製品安全当局の代表者が集う第3回消費者製品安全三者サミットが開催された。サミット後には共同声明が公表され(http://www.cpsc.gov/BUSINFO/intl/trilateral2012.pdf)、米国、EUおよび中国の当局は消費者用製品の安全対策に関し情報交換および連携を強化し、消費者用製品のシームレスな監視、流通上の追跡およびトレーサビリティ(追跡能力)の向上などに関する取組みを実施していくことが確認された。
ここがポイント
本会議は、米国、欧州、中国の国際貿易上の重要性に鑑み、3地域の製品安全当局の関係者機関(米国消費者製品安全委員会(CPSC)、欧州委員会(EC)の健康消費者保護総局と企業産業総局、中国の国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ))の代表者が参加し2008年から隔年で開催されているもので、2008年ブリュッセル、2010年上海に続き、今回が3回目の開催になります。
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