PLレポート 製品安全(2012年6月)
2012.6.1
国内のPL関連情報
寄生虫による食中毒に注意
(2012年3月14日 岐阜市役所ホームページ)
これまでに原因不明とされていた、食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢を呈する食中毒や有症苦情の事例について、厚生労働省が全国調査を実施した結果、ヒラメ及び馬刺しが関連した事例が複数確認された。これらの原因食品を詳しく調査したところ、ヒラメ、馬肉にそれぞれ特定の寄生虫の存在が判明した。さらにこれらの寄生虫が動物実験に対して、嘔吐や下痢の症状を起こすことが明らかになった。
ここがポイント
食中毒は、細菌やウイルス以外にも、農薬やアルコールなどの化学物質、フグ・毒キノコ・じゃがいもの芽などの自然毒、各種カビによるカビ毒(食中毒以外に発ガン性あり)により発生しますが、寄生虫でも有症を呈します。国立感染症研究所の推計によれば、激しい腹痛、嘔吐を起こすサバやイカの寄生虫(アニサキス)に感染した食中毒事故は、年間 7300 件発生しているとされています。
トラクターの片ブレーキによる事故防止について
(2012年4月3日 日本農業新聞)
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の生物系特定産業技術研究支援センター(以後農研機構・生研センター)や大手農業機械メーカー5社、農林水産省は、農作業時に乗用型トラクターで死亡事故が多発していることを受け、その事故原因の一つである片ブレーキ(左右独立ブレーキ)の操作による事故を防ぐ装置の開発を農業機械等緊急開発事業の一環として進めている。
乗用型トラクターは自動車などと異なり、主に水田などのぬかるみで急旋回を行う必要性から左右独立にブレーキ操作ができる機構が搭載されているが、農研機構・生研センターが2011年度行った全国264の農家のアンケートでは、片ブレーキの誤操作でヒヤリ体験があったのは26%にも上っている。
農業機械メーカー等から農林水産省に対して提供のあった事故情報にも、このブレーキ機構が一般道路上走行時に誤って操作され急旋回を起こし止りきれずに大きな事故になるケースが多数報告されている。このため、水田などのぬかるみ操作を基本としていたブレーキ機構から一般道路走行も想定し、左右連結を基本とするブレーキ機構に変更する検討を進める。
電子レンジによる事故に注意
(2012年4月27日 毎日新聞)
(独)製品評価技術基盤機構は、4月19日に電子レンジの事故防止に関する記者説明を開催するとともに、「電子レンジ及び電子レンジとの組み合わせで使用される製品の事故防止について(注意喚起)」という製品事故報告書を公表しました。
報告によると、2006年度から2010年度までの5年間に706件の事故報告があり、そのうち 重傷事故が16件、軽傷事故が57件発生。また、706件の事故の中で製品に起因すると考え られるものを除く423件について分析を加えている。
発生状況に関しては、「庫内に汚れが付着したまま過熱、炭化し発火」、「ほ乳びん用消毒バッグで乳首をつけたまま消毒、ほ乳びん内圧が上昇し破裂」、「食品を過加熱、炭化し、発煙・発火」、「電子レンジで加熱して使用する製品を過加熱、容器が溶融・破損および過加熱による突沸※」
※ 沸騰が起きないまま加熱が続き、小さな衝撃などで一気に沸騰が起きること
海外のPL関連情報
欧州委員会が危険製品に関する2011年度年次報告書を公表
欧州委員会(EC)の健康・消費者保護局は、5月8日、危険製品緊急警告システム(RAPEX: Rapid Alert System for non-food dangerous)の2011年度年次報告書を公表した。
今回の年次報告書の要点は以下のとおり。
- リコール等の措置件数は1,803件(前年:2,244件)と、2004年のRAPEXの制度開始以来、初めて前年件数を下回った。
- 製品別では衣類が27%(32%※)を占め最大で、次に玩具21%(25%)、自動車11%(9%)、電気製品10%(8%)、化粧品7%(4%)が多くなっており、化粧品が比率上昇により前年の6位から新たにトップ5入りした。※()内は前年数値
- 製品の製造国は、例年と同様中国が圧倒的に多く54%を占めるが、前年の58%よりやや低下。
- 日本の製品は32件で全体の2%であり、前年の34件からほぼ横ばい。
- 通知件数がもっとも多かった国はスペインで、ブルガリア、ハンガリー、ドイツ、英国が続く。
FDAが化粧品へのナノ物質の使用に関するガイドライン(草案)を公表
米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)は、本年4月20日、化粧品へのナノ物質の使用に関するガイドラインの草案("Draft Guidance for Industry: Safety of Nanomaterials in Cosmetic Product")を公表、パブリックコメントに付した。当該草案に対しする意見を7月19日までに提出すれば、FDAとして今後、最終案を検討する際に考慮するとしている。
ここがポイント
今回のガイドラインは、産業界および他のステークホルダー(学会、他の規制団体)に向けて、化粧品に使用されるナノ物質の安全性評価に関してFDAとしての現状の考え方を示すものであり、化粧品に使用されるナノ物質に関し潜在的な安全性の問題を特定し、それらを評価するための枠組みの開発を目的としています。
ガイドラインの中で、FDA としては、ナノテクノロジーやナノ物質に関して公式の定義を採択しているわけではないが、ナノテクノロジーを製品に適用した場合、伝統的な製品とは異なる製品属性が生ずるため、調査の必要があると認識している、としています。
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