レポート/資料

PLレポート 製品安全(2012年3月)

2012.3.1

国内のPL関連情報

■取っ手部に体重をかけると転倒する外作業用の椅子

(2012年1月19日 国民生活センター)

国民生活センターは、「除草用に車輪付きの椅子を購入した。背もたれにもたれると後ろに反り転倒した。危険なので商品に問題ないか調べてほしい。」との依頼により、該当の商品をテストした結果を1月19日付けで公表した。それによると、同センターの再現試験においても、調査依頼の内容の通り該当の部材にもたれたる姿勢や、座面の端に寄った座り方をした場合に転倒する可能性が認められた。

商品の「使用上の注意」にはこれらの部材の名称や使用法に関する記載はなかった。 商品は、農作業・園芸作業の際に作業者が腰を掛けたまま移動できるように座面の下部に4個の小型の車輪をつけた「外作業の椅子」で、座面の一端から斜め上方に、依頼者が"背もたれ"と考えている部材が伸びている(座面の反対側にも、これよりも小さな"取っ手"状の部材が水平に伸びている)。

■食器から基準値超す鉛

(2012年1月21日 朝日新聞)

岐阜県は、県内の陶磁器メーカーが昨年12月に製造した小鉢から基準の3倍を超す鉛が検出されたと発表。食品衛生法に基づき、同じ日に作られた全900点の回収を命じた。県によると、2μg/mlの基準値を超す6.6μg/mlの鉛が溶出試験により検出された。上絵の色を鮮やかにするため、鉛を釉薬(うわぐすり)に混ぜているという。小鉢は2008年7月から年間1万セットを出荷しており、メーカーは自主回収している。

ここがポイント

鉛は、人に対して生殖毒性や神経発生毒性等を有し、特に子供に対しては、一定レベル以上の血中濃度で知能や神経の発達に有害な影響を与える可能性があることから、CODEX(FAO/WHO合同食品規格委員会)では、2004年に行動規範を定め、各国に鉛の摂取量削減に取り組むよう推奨しています。日本の食品衛生法では、陶磁器等の鉛の規格が欧米に比べて緩く、また、玩具に含有されている鉛の規格も、一部の製品または材料にしか規格が設定されていない状況でした。

■綿棒の製品事故の未然防止へ安全自主基準を改定

(2012年1月25日 薬事日報)

日本衛生材料工業連合会は、一般用綿棒(一般家庭で人体を対象にして使用する綿棒)の、安全性・品質の向上および消費者の身体に対する被害の発生防止を目的とした「綿棒の安全衛生自主基準」を策定した。連合会では、これまでも綿棒の安全性自主基準を定めており、前回の改正から9年が経過したため改定作業を進めていたところ、2010年12月に国民生活センターより、綿棒の使用上の事故が多いとの指摘を受けた。連合会では、会員各社の消費者相談窓口での相談状況などから、製品事故による重篤な危害に結びついた例は挙がっておらず、ほとんどが誤使用によるものであると判断したが、一方で国民生活センター危害情報室から指摘された「軸の強度および綿の接着強度の基準値の根拠は何か」、「注意事項にある『綿棒から1.5cmのところを持って』の根拠は何か」、「注意事項にある『お子様』は何歳を想定しているのか」などの事項について検討を行い、軸の強度にプラスチック軸の測定方法を追加したほか、表示の注意事項を強化する改正を実施した。

海外のPL関連情報

■米CPSCが大量の不安全製品の通関禁止実績を公表

米国CPSC(消費者製品安全委員会)は、2012年1月9日、リリースを公表し、2010年と2011年において、数億点に及ぶ子供用製品やその他の消費者用製品を通関禁止処分としたことを公表した。

リリースによれば、CPSCは米国税関国境警備局(CBP)と協力することにより通関禁止とした製品は多岐にわたり、連邦の安全基準に適合しない1,700種の子供用製品650万点以上のほか、可燃性、鉛含有量、フタル酸塩等に関する規制違反を理由とし、マットレス、画材、日用化学品、ライター、花火、バイク用ヘルメット、ATV(四輪バギー)等の製品において通関措置が実施された。

ここがポイント

2007年に発生した鉛含有を理由とした中国製玩具の大規模リコールを契機として、消費者製品安全性改善法(CPSIA)が制定され、CPSIAのもとCPSCにより消費者用製品の安全性規制や執行権限の強化が進められてきました。

■欧州委員会が規制確立に向け、「ナノ物質」の定義を公表

欧州委員会(EC)は、2011年10月、「ナノ物質」の定義に関する勧告を採択した。これは、ナノ物質について様々な法律に適用可能な包括的かつ化学的な定義が必要との、欧州議会による要請に基づいたものであり、この新たな定義のもと、規制確立に向けた動きが加速する契機となる可能性がある。

ここがポイント

ナノ物質はこれまで、歯磨き粉や乾電池、塗料、衣類等、多数の用途や消費生活用製品において用いられており、今後も医薬品や環境、エネルギー等の分野での利用が期待されていますが、その安全性、リスクに対する見方は必ずしも確立されていません。化学物質の安全に関して適切な規則を適用するには明確な定義が必要ですが、国際的にも必ずしも定義が一律に定められているわけではなく、産業部門によっても定義が異なることから、今回、欧州連合(EU)における立法に際して統一して適用される定義が設けられるに至ったものです。

■米連邦地方裁判所における民事訴訟提起件数が増加

米国の連邦裁判所事務局は、2012年3月13日、2011年度の訴訟取扱状況に関する400ページを超える年次報告書※を発表し、この中で、連邦地方裁判所における民事訴訟提起件数が前年比6,357件(約2%)増加し、28万9,252件となったことを明らかにした。

Judicial Business of the United States Courts 2011 Annual Report
http://www.uscourts.gov/uscourts/Statistics/JudicialBusiness/2011/JudicialBusiness2011.pdf

ここがポイント

今回の年次報告書は、2011年度(2011年9月までの1年間)に連邦裁判所に提起された訴訟を対象に、連邦裁判所事務局が集計、取りまとめたものであり、同事務局は、同様の年次報告書を毎年発表しています。

年次報告書には、控訴裁判所、地方裁判所、倒産裁判所等の連邦裁判所に属する裁判所ごとの訴訟提起件数のほか、契約不履行、不法行為等の訴訟種類別の提起件数について、過去5年間のデータなどが記載されており、米国の訴訟動向を把握する上で参考になります。

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