PLレポート 製品安全(2011年2月)
2011.2.1
国内のPL関連情報
■エア遊具事故で安全運営を要請
(2010年12月3日 東京読売新聞 他)
事故発生が報道されている「エア遊具」について、消費者庁は事故情報を収集、分析を進める中で、業界団体が策定した安全運営の10ヶ条の徹底をイベント主催者などへ要請した。
「エア遊具」は空気で膨らませた遊具で、子供が中に入ってトランポリンのように跳ねたり、遊具を滑り台として使用する。遊具の設置、移動、撤去が簡便なこともありイベントやレジャー施設で幅広く使われているが、金具や重りで地面などに固定しないと強風などにより転倒するおそれがある。
「エア遊具」については、遊園地の大型遊具などを所轄する国土交通省が担当するのか、ゲームセンターの遊具などを所轄する経済産業省が所轄するのか明確でなく、設置方法や使用上の注意等の安全基準等が無いことより、消費者庁が事故情報の収集や分析、関係事業者に対する要請を行った。
■回転衣服ハンガーの表示見直しを要望
(2010年12月25日 NHKニュース 他)
回転衣服ハンガーで事故発生や品質上の問題があることより、国民生活センターは使用時に注意するように消費者に呼びかけ、事業者へ表示の見直しなどの要望を行った。
回転衣服ハンガーはスペースをとらずに多くの衣服を収納できることより販売が好調だが、2005年度から2010年10月末までに全国消費者生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET)に77件の相談が寄せられた。相談の中には、ハンガーが倒れたり、ハンガーの支柱が曲がったという事故発生や品質上の問題に係る事例がある。
国民生活センターは、インターネットで販売している回転衣服ハンガー16銘柄について安全性のテストを行った結果、耐荷重相当の衣類を掛けたり、一箇所に偏って衣類を掛けた場合に外国製製品13銘柄で安定性に問題があることが判明した。
国民生活センターでは、消費者に対し衣類の掛けすぎや偏りに注意し移動時には転倒に注意するように呼びかけ、事業者へは強度や安定性の改善と、使用方法についてのわかりやすい表示の要望を行った。
■リコール開始まで長時間
(2010年12月30日 朝日新聞 他)
総務省の行政評価において、重大製品事故によりリコールした製品でリコール開始前に同様の事故が発生していることが明らかになり、勧告を行った。
消費生活用製品安全法のもとで、事業者から国へ報告のあった重大製品事故によってリコールされた製品のうち51品目を抽出し、事業者がリコールを開始するまでの日数を調べた。その結果、最初の事故の発生日から平均120日、原因調査を行う独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)の調査終了日から平均57日かかっており、リコール開始までの期間に24件の同様の事故が発生していたことがわかった。
総務省は事業者からの報告遅れや調査期間の長期化によりリコールまで長時間を要していることが同様の事故の発生の要因とし、経済産業省と消費者庁に改善を勧告した。勧告では、製品事故情報の消費者への提供と回収等の実施を迅速かつ的確に行うことが提言された。
海外のPL関連情報
■カナダで消費者用製品安全法が成立
カナダ議会を通過した消費者用製品安全法案は、2010年12月15日に国王の裁可を得て新法として成立した。
消費者用製品安全法は昨年6月にカナダ政府により下院に提案された法案で、上下院での審議の経て、通過した。本法案は消費者用製品の安全につき消費者保護を強化する内容となっており、事故報告制度や強制リコール制度、規制機関による査察などを規定している。規制機関であるカナダ保健省(HealthCanada)によると、同法は国民の健康維持と安全に貢献するものであるとし、その特徴につき以下のように案内した。
- 健康や安全への不合理な危険となる消費者用製品の製造・輸入・広告・販売を禁止する
- 企業が製品関連の重大な傷害・死亡事故を知りえた場合、重要な製品安全情報を適時に報告しなければならない
■米国で2010年10大評決を発表
米国の原告側弁護士向け法務情報誌であるLawyers USAが2010年中の巨額な評決10傑を発表した。
評決額が高額である上位10事件の平均額を比較すると、昨年の1億4,500万ドル(約122億円)から1億5,700万ドル(約132億円)に増加した。もっとも高額な評決事件の評決額は5 億500万ドル(約424億円)で医薬品のPL事件だった。上位10事件の内、8件がPL訴訟であり(下記のとおり)、タバコ製造者に対するPL訴訟が3事件であった。
なお、この10大評決は1事故による個人を中心とした原告の負傷事件に限定し、集団訴訟や統合訴訟は対象としていない。
- #1. 薬剤による感染 5億510万ドル評決
- #2. 労働者妻のアスベスト疾病 2億880万ドル評決
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