PLレポート 製品安全(2011年2月)
2011.2.1
国内のPL関連情報
■「集合訴訟制度」新設を検討
(2010年11月1日 日本経済新聞 他)
消費者庁は2010年9月、集団的消費者被害救済制度研究会において検討された集合訴訟制度に関する報告書を公表した。
集合訴訟制度は、訴訟に関する費用の負担等の理由から消費者個人では訴訟提起が困難である現状から被害救済を図るために検討されている制度で、同種の請求を集合して訴訟を起こすことで消費者負担を軽減し、被害救済を図るものである。
集合訴訟制度制定の動きは潜在的な損害賠償請求を掘り起こすことになり、企業にとっては弁護費用の増加など、高まる法的責任リスクへの対応をせまられることになるとの意見もある。
ここがポイント
消費者関連事件で利用される制度として、適格消費者団体が不当な消費者契約の申し込み又は承諾の意思表示の差し止めができる「消費者団体訴訟」や、複数の原告又は被告を一つの訴訟手続で行える「通常共同訴訟」、代表者を選んで提訴する「選定当事者制度」などがあります。
■経済産業省が製品安全対策優良企業を表彰
(2010年11月8日 経済産業省 他)
経済産業省は「第4回製品安全対策優良企業表彰」の受賞企業を発表した。平成19年度より始まった本表彰制度では、製品安全に積極的に取り組んでいる企業を公募し、学識経験者や消費者団体などで構成される審査委員会が審査している。企業全体の製品安全活動についての取り組みを評価対象としており、本年度の表彰企業は次の通りである。
ここがポイント
大企業製造事業者・輸入事業者部門の経済産業大臣賞を受賞したYKKAP(株)は、(1)子供から高齢者までの幅広いユーザーの使用方法をモニタリングし、誤使用や誤操作を含むユーザーの生活行動を踏まえた製品開発、(2)専用の検証装置を用いた実環境の再現試験より、製品の耐久性を予測した製品開発やリスク検証、(3)実際の建築現場の環境を想定した施設での研修による施工業者の意識啓発、への取り組みが評価されての受賞となりました。
■小径タイヤの折りたたみ自転車の安全性に関する指摘
(2010年11月18日 国民生活センター 他)
今年5月、50歳代の男性が小径タイヤの折りたたみ自転車で走行中、歩道と車道の段差を乗り越えたところで転倒し顔面に傷害を負った。この報告を受け国民生活センターは同種の自転車を調査した結果、フレーム強度や段差乗り越えの走行能力などに問題があるとの情報提供と共に使用者へのアドバイスと事業者への要望を行なった。
使用者へのアドバイス:
- 1) 小径タイヤ(6~8インチ)の折りたたみ自転車は、フレームの強度や段差を上るときの走行能力が劣るため、段差のある道路を走行するには適さない。
- 2) 購入の際には直ちに品質を確認し、問題がある場合には販売元に連絡すること。また、 道路以外を走る場合にも凸凹での走行を避け、異常を感じたら走行を中止する。
海外のPL関連情報
■米国タバコの警告表示を強化
米国食品医薬品局(FDA)は、11月10 日にタバコのパッケージや広告に従来よりも厳しい表現を義務付ける法案を公表した。
米国では年間44万人以上が喫煙により死亡しており、成人の喫煙率は20%を超えていることより、タバコの喫煙による被害を低減させるために提案された法案である。 法案では、タバコによる健康被害を警告するために、大きな文字で目立つように記載された警告文案を9種類と被害を強調するカラー画像の警告ラベル案の36種類が示された。これらの警告文と画像がタバコのパッケージの前面及び裏面上部に50%以上の面積部分を占める大きさで印刷されることになる。
■米上院で食品安全規制を強化する法案が可決
11月30日、米上院において、米国の食品安全規制に関する米国食品医薬品局(FDA)の権限を大幅に強化する「食品安全現代化法」(Food Safety Modernization Act)が可決された。
米国では近年、大規模な食中毒事件が頻発しており、食品の安全性への懸念が高まっていた。 今回の法案は、予防措置に重点を置きFDAの権限を大幅に強化することにより、食品汚染な どによる消費者被害を防止することを目的としている。
本法案は下院の食品安全法案との調整が必要となるが、下院も協調する構えを見せており、本上院法案に賛意を表明している大統領の署名を経て会期内に成立する公算が高い。
ここがポイント
食品安全を増強する法案は一年以上前に米下院において可決されていましたが、上院では審議が進んでいませんでした。米国内における大規模なサルモネラ菌食中毒事件が発生したことや毎年4人に1人が食品による疾病に羅患していることより、本議会の会期中での成立が急がれていました。この法案により、FDAが広範かつ強力な権限を持つことになります。
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