熱中症予防対策について【労災リスク・インフォメーション 第13号】
2014.5.1
1. はじめに
国立環境研究所によると昨年(平成25年)5月に全国19都市・県において263人の方が熱中症により救急搬送された。また、昨年の夏は、高知県四万十市において、国内観測史上最高となる41.0℃を記録するなど全国的に猛暑であり、7月、8月には多くの方が熱中症により医療機関に運び込まれた。
平成25年の職場での熱中症による死亡者数の確定値はまだ公表されていないが、熱中症による死亡災害が最も多かった平成22年(死亡者数47人)と同様の傾向にあると厚生労働省は発表している。
熱中症に関する知識を身につけ適切な対策を講じることで、熱中症は防ぐことのできる疾病であり、暑さが本格化する前のこの時期から備えておくことが重要である。そこで本稿では熱中症予防に関する対策等を紹介する。
2. 熱中症とは
(1) 熱中症の定義
熱中症とは、高温多湿の環境下において、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が低下したりすることなどにより発症する障害の総称であり、次のような症状が現れる。
めまい、立ちくらみ、失神、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、疲労感、倦怠感、虚脱感、こん睡、意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、血圧低下、顔面蒼白など
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