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ESG課題と機関投資家に関する最新動向(PRI in Person2019に参加して)【サステナブル経営レポート 第8号】

2019.11.1

本号の概要

  • 2019年9月、PRIの年次総会「PRI in Person」がパリで開催され、過去最大の1,600名が参加した。PRI署名機関や専門家など150名のスピーカーによる30以上の会議が行われた。
  • 分科会でのテーマは気候変動関連が多かった。また、AIやEUタクソノミーといった比較的新しいテーマも取り上げられた。サイドイベントでは、パームオイル、森林破壊、水、薬剤耐性等、特化したテーマが話し合われた。
  • 機関投資家による気候変動シナリオ分析は、移行リスク分析のフェーズから物理的リスク分析へ進んでいる。ポートフォリオにおける移行・物理的リスクに脆弱なセクター、企業、地理的情報を把握し、リスク低減に活用しようとしている。
  • 気候変動は温暖化、気候の変化といった環境面に意識が向きがちであるが、洪水、干ばつ、海面上昇により居住地を失うなどの難民問題、エネルギー移行などに伴う収入減や失業により強制労働や奴隷、人身売買が強いられるなどの潜在的な人権問題も考慮が必要である。

1.PRI in Personとは

2019年9月10~12日パリにて、PRIの年次総会「PRI in Person 2019」が開催された。PRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)は、機関投資家らのイニシアチブで、投資判断にESG(環境、社会、ガバナンス)を考慮することなど6つの原則が定められている。

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