大学における地震対応計画構築のポイント【BCMニュース 2011年 第4号】
2011.8.1
はじめに
2011年3月11日に東日本大震災が発生し、まもなく半年が経ちます。震災直後は、東日本を中心に企業のみならず、あらゆる組織にて初動対応や事業継続の対応に追われました。大学では、地震発生時、その多くが春休みであり、構内での事故の発生は少なかったものの、東日本にキャンパスがある大学では、学生の安否確認や式典の実施・中止の判断等の対応を迫られました。さらには計画停電によるサーバーの停止や原発事故による留学生の一時帰国等、新たに発生する様々な問題に対応しなければなりませんでした。
今回の大震災を受け、地震に対する危機管理体制の見直しを行う大学が増えています。大学は「構内にいる人の多くが学生」、「大規模集客施設のひとつである」、「公共性が求められる」などの固有の特徴を持っているため、その地震対応計画は、これらの特徴に応じた対応ポイントを考慮して構築する必要があります。
本稿では、大学という教育現場の特徴に注目し、地震に対する危機管理体制の構築・見直しのポイントを解説いたします。
大学の特徴と地震対応計画構築の重要性
大学における地震対応計画構築の重要性について、大学の3つの特徴に着目して、解説します。
(1) 構内にいる人の特性
大学では、参集する人を学生と教職員に分けることができます。それぞれが持つ性質が地震発生時に与える影響について考えていきます。
全文はPDFでご覧いただけます