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適切な利用者情報の取り扱いについて ~スマートフォンのアプリケーションに見る利用者情報の不適切な取り扱い事例の増加と企業に求められる留意点~【情報セキュリティニュース 2012年 第2号】

2012.7.1

1. はじめに

近年、スマートフォンの利用者の増加に合わせて、スマートフォンを経由した利用者情報の不適切な取得という問題が増加している。そこで、本紙では、スマートフォンを経由した利用者情報の不適切な取得に関する事例を交えつつ、特にそれらのアプリケーションを開発している企業として、どのような点に注意すれば良いかについて説明する。そして、この説明は同時にユーザー側のリスクマネジメントへのヒントにもつながる。

2. 利用者情報の不適切な取扱いによる信用失墜に注目が集まりだした背景

近年、スマートフォン利用者の数は増加している。MM総研の調査によれば、今後も携帯電話端末出荷台数に占めるスマートフォン端末の割合は高まっていく見込みで、2015年度には携帯電話端末の総出荷台数4,130万台のうち3,056万台がスマートフォンとなる見込み(割合にして74.0%)である。

このように急速に利用者が増加している背景の1つに、スマートフォン向けに豊富なアプリケーションが提供されてきていることが挙げられる。多くの人が様々なアプリケーションを活用することで、より快適な生活を送りたいと望んでいるのである。これらの期待に対応するために、アプリケーションを提供する各社では、より利用者のニーズに合致した内容のサービスを提供できるようアプリケーションの開発に力を注いでいる。

そのような流れの中で、高まる利用者のニーズに応えるべく、利用者情報を活用するサービスというものが増えてきた。例えば、スマートフォンのGPS機能を利用することで、利用者の現在位置の近辺に立地する飲食店の情報を提供するサービスなどが挙げられる。このように、利用者情報を活用することで、これまでにない使い勝手の良いサービスの開発が可能になってきている。

しかし、利用者情報を活用することでより便利なサービスが提供可能になる一方、利用者情報の取得方法等に不適切な部分があり、逆に利用者からのクレームの要因となるケースも目立ってきている。

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