中国における最新治安動向 ~安全な滞在のために~【中国風険消息(中国関連リスク情報 2014年7月)】
2014.7.1
1.はじめに
日中関係は政治的対立の影響で冷え込みが長引いているものの、経済界や自治体間の交流は活発化しており、好転の兆しが見えつつある。また最近の中国は成長社会から成熟社会への移行に向けて舵を切り始めており、持続的かつ安定的な成長が実現すれば、グローバル経済における中国の存在感も益々高まってくるものと思われる。
こうした認識のもと、今後も多くの日本企業が多数の駐在員や出張者を中国に派遣するものと思われるが、最近は通常の国内転勤と同じ扱いで、予備知識が薄いままに駐在を命じられるケースも目立っている。同じ東アジア圏に属するとはいいながら、日中間では政治制度、法律・慣習、価値観などの隔たりは依然として大きく、駐在員や出張者が思わぬトラブルに巻き込まれるケースは後を絶たない。
本稿では、中国における最新の治安動向をご紹介した上で、出張者や駐在員が安全に滞在するためのポイントを解説する。特に今年着任した新任駐在員とその家族、あるいは渡中経験の少ない出張者の方々には是非ご一読いただきたい。
2. 中国治安状況の概況
(1) 在留邦人の状況
外務省(海外在留邦人数統計:平成25年版)によれば、現在中国には約15万人の邦人が在留している。国別では米国に次ぐ第2位で、第3位のオーストラリアの2倍近い数となっている。また中国内における都市別の長期滞在者数(在留総数から永住者を差し引いた数)でみると、上海、香港、北京、蘇州、広州の順であり、上海の約5.7万人は世界における都市別で第1位(2位はロサンゼルスの約4.3万人)である。
全文はPDFでご覧いただけます