鉄骨構造の建物における強風による事故とその対策(台風シーズンを前にやっておきたいこと)【中国風険消息(中国関連リスク情報 2014年3月)】
2014.3.1
1.はじめに
中国では近年、鉄骨構造が工場建設や住宅建築等の分野で多用されてきている。中国鉄骨構造協会の調査によれば、工業建物のうち過半数は鉄骨構造建築が占め、超高層建築においてもその 2割以上が鉄骨構造も交えた工法となっている。鉄骨構造の建物が増加するにつれ、広東、福建などの台風が多く襲来する地域を中心に、これからの建物の被害が数多く発生するようになっている。本稿では鉄骨構造の建物における事故事例に触れながら、鉄骨構造が被害に遭いやすい原因とその箇所を分析し、毎年、夏場から秋にかけ頻発する台風シーズンに事前から備えるための対策等について解説する。
2. 強風による事故の事例
(1) 事例1
鉄骨構造の工場Aが竜巻の被害に遭遇した。突発的に発生した竜巻により、扉や窓を速やかに閉めることができず、竜巻による強い風が建屋内部まで浸入したため、屋根が吹き飛び、製造設備や製品等が雨に濡れるなどの損害を受けた。建屋周辺には風を遮るような防風林等もなく、損害の拡大を招いたと考えられる。
事故発生後、工場Aの屋根は建築会社により修復されたものの、翌年の台風で以前の修復箇所と隣接する部分が強風により損壊し、再び屋根が吹き飛んだ。事故後の調査によると、鉄骨構造の工場の屋根(参考:写真1)は、以前に竜巻の被害を受けた部分とは別の隣接部分も強度が落ちており、再び台風が到来した際に容易に被害が発生したことが判明した。そのため、再修復時には、被害を受けた箇所以外の場所も含めて全面的な点検と修復を行った。
全文はPDFでご覧いただけます