[特別寄稿]中国での事業運営に関するリスクマネジメント(全3回シリーズ)~第2回 企業の財産保護について~【中国風険消息(中国関連リスク情報 2013年2月)】
2013.2.1
(発行者注;本稿は、上海徳理法律事務所の律士(弁護士)である舒.氏および全永杰氏にご寄稿頂いています。)
本シリーズは、中国での事業運営における①「進出」、②「経営」、③「撤退」、の 3つのフェーズに関するリスクマネジメントについて、2013年1月号から3回に分けて掲載しています。第1回目では、「中国進出時における事業場所の確保について」をテーマに、当事務所が直近1~2年に携わった事例を中心にご紹介しました。詳しくは、2013年1月4日発行の1月号をご参照ください。
第2回目となる本稿は、②「経営」のフェーズに関するリスクマネジメントがテーマです。経営におけるリスクは広範かつ膨大であり、すべてを網羅することは困難ですので、本稿では、経営に不可欠な「財産」に関するリスクに焦点を絞り、当事務所が直近1~2年に携わった事例を紹介しながらご説明します。
1.売掛債権に関するリスクマネジメント
財産に関するリスクマネジメントといえば、まずまっさきに思い浮かぶキーワードは販売代金に代表される売掛債権の回収でしょう。売掛債権の回収のノウハウについては、日本国内でも多くの弁護士・コンサルタントが多方面に渡って執筆していますし、関連のセミナーも頻繁に開催されています。そこで今回は売掛債権回収が困難になってからの事後対策ではなく、事前対策としてどのような措置を講じておけば良いかについてご紹介します。
売掛債権回収の成否を左右する最大の要因は、売り手と買い手の力関係です。売り手に力があれば、全額前払いとすることで初めから売掛債権を発生させないということが可能になります。それが難しい場合でも、売り手にそれなりの力があれば、次善策として担保を取ることができます。日本と同様、中国においても法律上の担保には①「人的担保」と②「物的担保」があります。売掛債権回収に関してよく使われる人的担保は保証人をつけることです。例えばB社に対するA社の債務について、法人C社または個人D氏が保証(一般的には連帯保証)します。一方、物的担保とは、1)「不動産・動産への抵当権1設定」または 2)「動産・権利への質権2設定」です。
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