[特別寄稿]中国での事業運営に関するリスクマネジメント(全3回シリーズ)~第1回 中国進出時における事業場所の確保について~【中国風険消息(中国関連リスク情報 2013年1月)】
2013.1.1
(発行者注;本稿は、中国の弁護士である舒.氏および全永杰氏にご寄稿頂いています。)
1. はじめに
昨今の日中関係の悪化に伴い、中国で今後、どのように事業活動を推進していくかについて、思い悩んでいる企業も多いと思われます。今や中国は世界第2位のGDPを持つ経済大国であり、同時に巨大なマーケットとなっています。さらに、第十八回中国共産党全国代表大会では、2020年に2010年対比でGDPを二倍にするという方針も打ち出されています。日本国内でのマーケットに大きな伸びが見込めないなか、日中間の政治的なリスクを抱えながらも多くの日本企業にとっては、中国には引き続き大きなチャンスが潜在しているといえるでしょう。
本シリーズでは、中国ビジネスにおける①進出、①経営、②撤退、の3つのフェーズにおけるリスクマネジメントについて、3回に分けて掲載していきます。第1回目は、日本企業が中国に進出する際のリスクマネジメントについて、当事務所が直近1~2年で携わった事例を中心にご紹介します。具体的には、「事業場所の確保に関するリスクマネジメント」をテーマとします。
今日、中国は「世界の工場」から「世界の市場」へとその姿を変えています。従来は安価な労働力を確保するために中国で工場を建設する企業が多くを占めていましたが、現在では自社の製品を販売するマーケットとして中国に進出する企業が増えています。このような場合、進出の初期段階においては、日本等の諸外国で製造した製品を中国に輸入し、販売を行うケース(中国から見た輸入販売)が多くみられます。また、製造業だけでなく、飲食店などのサービス業の進出も盛んになっています。輸入販売を行う企業では、事業が軌道に乗ったところで価格競争力やリードタイムといった要素を考慮し、中国での現地生産を開始するパターンが頻繁に見られます。
全文はPDFでご覧いただけます