レポート/資料

消火器の選定・管理・使用方法【アジアリスク情報 2014年度 No.4】

2015.1.1

1.はじめに

各施設においては、火災が発生しないよう各種防災取り組みに工夫を凝し実施されていることと思われますが、万が一火災が発生した場合には、スプリンクラー設備の普及が欧米諸国と比較して十分ではない東南アジア地域において、迅速な初期消火活動が火災損害の拡大を防ぐ重要な手段となります。

消火器の設置基準について、日本の場合は建物の用途・面積に応じて必要となる消火器の能力単位が設定され、各防火対象・部分から歩行距離で20m以下になるよう指定されています。各国により用途区分や必要となる消火器能力単位は若干異なりますが、防火対象・部分からの歩行距離については概ね5m-30mの範囲内となっています。

東南アジア諸国では米国基準(NFPA)に沿った規定が多いと言われていますが、マレーシアでは英国基準(BS)をベースに規定が制定されていたり、シンガポールでは設置基準はNFPA、火災クラス区分は英国基準に準拠した規定が制定されています。

消火器による迅速かつ適切な初期消火活動には、「存在する火災危険の種類」を把握した上で、それに応じた「適切な消火器の選定」、また常に使用可能な状態とする「適切な管理」を行うための日常点検、万が一使用することとなった場合の「正確な使用方法の徹底」が重要です。

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