中堅・中小企業に対するBCM支援の方向性～育てていく取組の支援

この「BCPを育てていく取組」は、例えば、抽出された課題に優先順位をつけて順番に消し込む、繰り返し訓練を実施するなど、長期間にわたって継続して実施することが必要です。この状況を我々は策定の取組と比較して「策定は一瞬、育成は一生」と呼んでいますが、特に、大企業に比べて人手や資金の余裕がない中堅・中小企業においては、長期間にわたる「BCPを育てていく取組」の途中で心が折れてしまい、自走できていないのが現状です。

中堅・中小企業におけるBCM定着の支援システム（「レジリード」の紹介）

今般、MS&ADインターリスク総研では前記課題を解決するシステム「レジリード」を開発リリースしました。

「レジリード」は、レジリエンスを学び（Read）、自ら先導する（Lead）するという意味の造語ですが、このように手間と時間がかかり取組みの途中で心が折れる中堅・中小企業の「BCPを育てていく取組み」の自走化を、長期間にわたって伴走支援をする世界初のサービスです。（MS＆ADインターリスク総研調べ。特許出願中）

レジリードでは、「BCPを育てていく」ポイントを、BCPを自分事として認識いただくことと、BCPの周知・見直し・改善を習慣化する点にあると考え、以下を実装しています。

1. 簡単に、自社事業を分析のうえ戦略を構築し、事前対策を整理できる仕組みの提供
2. 簡単に、抽出した課題のつぶし込みや訓練イベントを開催できるツールの提供

そして、BCPを育てていく局面として、大きく「作れる」、「見直せる」、「緊急時でも活用できる」、「簡単に相談できる」の4つに整理をしたうえで、以下4つののメニューを構築しています。これら4つのメニューを組み合わせて長期間にわたって活用いただくことで、BCM取組の自走化をサポートします。

• BCP新規策定（主な機能：各種分析を踏まえた戦略・対策整理（上記（1））、文書作成）
• BCP高度化（主な機能：ツールを活用した事前対策管理、ツールを活用した訓練実施、ツールを活用した見直し）
• 緊急時ツール（主な機能：ツールを活用した地震と水害が発生した際の情報収集・とりまとめの一部自動化）
• WEB相談（主な機能：ツールを活用した簡単予約、システム登録内容ならびにWEBを活用した短時間で中身の濃い個別相談）

支援機関におけるBCM定着支援の方向性（BCP策定支援との違いを踏まえた特徴等）

自治体や各商工団体等の支援機関の皆さまは、日頃から、大災害等に対する「地域の強靭化」を図るために、中堅・中小企業のBCPレベルを「0から1」にする「BCPの策定取組」に対するご支援を推進されているのではないかと存じます。これらご支援は、BCPのすそ野を拡げるという意味で最も重要な支援内容ですが、例えば、BCPの「雛形」や「フォーマット」を提供して空白を埋めて頂く等、ご支援の期間は比較的短期間に、かつ、多数の企業に一律の内容でご支援が可能な点を特徴とします。

一方、BCPレベルを「1から10」にする「BCPを育てていく取組」に対するご支援は、ご支援の期間が長期にわたること、かつ、ご支援の内容が企業ごとに異なった内容になること点が特徴となります。かかる特徴を踏まえると、ご支援の方向性としては、各企業の「BCPを育てていく」取組の自走化をご支援する内容が現実的ですが、自走化のご支援の内容が固めきらずにまだまだ十分に実施できていないのが現状かと推察いたします。

それでは、この自走化のご支援はどのように実施すればよいのでしょうか。当社はシステムの活用がひとつの方向性になるかと考えています。長期間にわたる個別具体的な支援も、システムを活用することで効率的に実現できます。

当社の「レジリード」は、地域の中堅・中小企業における長期間の個別具体的な取組の自走化を支援する内容となっておりますので、「BCPを育てていく取組」に対するご支援を展開する際の選択肢のひとつとしてご検討いただければ幸甚です。