ISSBサステナ開示基準対応で、SASBスタンダード拡充の優先11分野を公表
2024.9.12
IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は2024年7月31日、企業サステナビリティ情報開示の際の参照基準に指定するSASBスタンダードについて、優先的に拡充する11業種を公表した。今後数か月間に調査・分析を継続し、改訂に着手する順位を決定、2025年上半期に公開草案を公表する予定。
ISSBは2023年6月に公表した「IFRS S1(サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項)」では、企業が同基準に従って情報開示する際、SASBスタンダードを参照してサステナビリティ関連のリスクと機会を識別することが必要。そのため、SASBスタンダードの比較可能性・適用可能性の一層の向上と投資家の情報ニーズへのタイムリーな対応のため、2024年からの2か年計画で基準の拡充を公表していた。
今回の公表内容によると、拡充の対象業種は、採掘・鉱物加工分野の8業種(石炭事業、建設資材、鉄鋼メーカー、金属・鉱業、石油・ガスの探査と生産・中流・精製・販売・サービス)と、インフラ分野の電気事業・発電事業に焦点をあてる予定。対応余力次第で、食品・飲料分野の3業種(農産物、食肉・鶏肉・乳製品、加工食品)も着手する。分野・業種の特定にあたっては、ISSBの2か年作業計画でサステナビリティ開示基準の次期研究テーマに挙げた「生物多様性、生態系、生態系サービス」「人的資本」との関連性を考慮した。
またISSBは、業種間での共通トピックに一貫性を持たせるため、他業種のSASBスタンダードの改訂を行う可能性にも言及。SASBスタンダードとGRIスタンダード、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)との相互運用性も検討する。
【参考情報】
2024年7月31日付 SASB Standards HP
https://sasb.ifrs.org/blog/issb-to-enhance-an-initial-set-of-sasb-standards/
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この記事は「ESGリスクトピックス2024年度 No.6」(2024年9月発行)の掲載内容から抜粋しています。
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