コラム/トピックス

EUの次期反人種差別戦略、企業に雇用やAI・データ分野の対策強化を強く要請

2026.3.18

欧州委員会は2026年1月20日、「EU反人種差別戦略2026–2030」を発表した。「構造的差別」(差別が社会の仕組みや制度に組み込まれている状態)の解決に向け、国や企業に▽雇用における多様性の促進▽AI技術の活用に伴う差別リスクの防止▽人種・民族に関する平等についてのデータ収集――などを求める内容だ。

同戦略は、EU全体で人種差別を根絶し、すべての人が平等に生活できる社会の構築を目的とする。2020年の「EU反人種差別行動計画2020–2025」公表以降、EU加盟国の14カ国が独自の反人種差別行動計画を策定するなど基盤整備が一定進んだ。しかし、教育、雇用、住宅、医療、司法、デジタル領域など社会のあらゆる場面に依然として構造的な差別が残存していることから、今回の戦略では包括的な対策の必要性を強調する。一方、企業には、雇用やサービス提供の場面で差別防止の強化を求めている。特に、採用・昇進などでのバイアス排除や職場における多様性の促進を、企業が果たすべき重要な役割として位置づける。その他に、AI技術の活用に伴い、学習データの偏りを反映したアルゴリズムが、特定の集団に差別による不利益を与える可能性を指摘し、企業に透明性の確保やリスク管理の強化を求める。

さらに、戦略が強調する「平等データ」の整備は、企業にも一定の影響を及ぼす可能性がある。差別の実態把握や政策効果の検証のために、人種・民族に関するデータの収集・分析・公表を重視。企業にも自社の状況を把握し、必要に応じた改善を求めている。

【参考情報】
2026年1月20日付 欧州委員会HP
https://commission.europa.eu/document/download/f4acc4d4-689e-4db8-8c89-c7243b76ab88_en?filename=JUST_template_comingsoon_standard_0.pdf

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