食品関連事業に係る法改正等の動向
2026.4.21
2026年1月から3月末にかけて公布・発出された、食品関連事業に係る主な法改正等を以下に示す。自社の事業に関連する項目の改定がないか確認し、関連する項目がある場合は、適切に対応することが求められる。
1.日本版包装前面栄養表示ガイドライン※1公表(所管:消費者庁)
消費者庁は、2023年度に開催した「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」及び2024年度・2025年度に開催した「日本版包装前面栄養表示に関する検討会」における議論を踏まえ、「日本版包装前面栄養表示ガイドライン」を作成し、公表した。
【主な内容】
| 適用範囲 | 容器包装に入れられた一般加工食品で、当該食品の食品単位として1食分(食品関連事業者等が定めた量)が適切に設定できるもの |
|---|---|
| 表示方法 | 食品の容器包装の前面等の消費者が見つけやすい箇所に、消費者庁が示す様式(縦向き、横向きあり)を用いて栄養成分等を表示すること |
| 表示項目 | 当該食品の1食分当たりの熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウム(食塩相当量に換算したもの)の量に加え、栄養素等表示基準値に占める当該量の割合を表示すること |
| 文字サイズ | 日本産業規格Z8305(1962)に規定する8ポイントの活字以上の大きさ、表示可能面積が概ね150cm²以下の場合は5.5ポイントの活字以上を推奨 |
【補足】
- 日本版包装前面栄養表示ガイドラインに関するQ&A※2も同時に公表された。
- 日本版包装前面栄養表示の様式は「日本版包装前面栄養表示様式ダウンロード」※3のページに掲載されている。
日本版包装前面栄養表示の表示例


2.食品表示基準改正:個別品目ごとの表示ルールの見直し(所管:消費者庁)
① 旧JAS法由来事項:別表第3・4・5・19・20・22関係
消費者庁は、食品表示基準の別表で規定されている旧JAS法由来事項の個別品目ごとの表示ルールについて、2024年度から2025年度にかけて見直しを行った。食品表示基準において横断的な表示ルール(食品の種類を問わず共通に適用されるルール)が策定されたことで、旧JAS法由来事項は、その役割が終了している。そのため、対象品目について、食品表示基準の横断的な表示ルールに合わせる方向で見直すことを基本としつつ、品目ごとの個別の事情や制定の経緯、消費者の要望等を踏まえながら2024年度は20品目、2025年度は22品目について、これまでの表示ルールを廃止または維持するのか、検討が行われた。
【2024年度と2025年度の検討対象品目】
| 2024年度の検討対象:20品目(改正済み) | 2025年度の検討対象:22品目 |
|---|---|
| 調理冷凍食品、チルドハンバーグステーキ、チルドミートボール、チルドぎょうざ類、マーガリン類、みそ、炭酸飲料、即席めん、マカロニ類、ジャム類、うに加工品、うにあえもの、乾燥わかめ、塩蔵わかめ、農産物缶詰及び農産物瓶詰、畜産物缶詰及び畜産物瓶詰、調理食品缶詰及び調理食品瓶詰、レトルトパウチ食品、魚肉ハム及び魚肉ソーセージ、パン類、(ハム類、ソーセージは定義のみ先行して改正) | 果実飲料、豆乳類、乾燥スープ、風味調味料、しょうゆ、農産物漬物、乾めん類、ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料、食用植物油脂、食酢、削りぶし、煮干魚類、トマト加工品、にんじんジュース及びにんじんミックスジュース、ウスターソース類、凍り豆腐、ベーコン類、ハム類、プレスハム、混合プレスハム、ソーセージ、混合ソーセージ |
【検討対象事項(別表)】
別表第3:食品の定義、別表第4:個別の表示ルール(名称、原材料名、添加物、内容量)、
別表第5:名称の規制、別表第19:追加的な表示事項、別表第20:表示の様式、
別表第22:表示禁止事項
今回の見直しは事業者団体等からのヒアリング等に基づいて行われた。8品目(調理冷凍食品、チルドハンバーグステーキ、チルドミートボール、チルドぎょうざ類、炭酸飲料、即席めん、うにあえもの、混合プレスハム)の表示ルールが全面廃止、別表第4「添加物」のルールは全品目で廃止となった。
一方で、原材料の規定は6品目(乾燥わかめ、塩蔵わかめ、農産物漬物、トマト加工品、ウスターソース類、にんじんジュース及びにんじんミックスジュース)に残り、表示禁止事項は10品目(塩蔵わかめ、乾燥わかめ、レトルトパウチ食品、乾めん類、食酢、ジャム類、食用植物油脂、みそ、乾燥スープ、しょうゆ)に残る等、品目ごとに差が生じている。品目間の差を解消し、表示ルールを揃えることは今後の検討課題とされている(※)。
② 旧食品衛生法由来事項:別表第19、20(加工食品の個別ルール関係)
消費者庁は、事業者の容器包装改版の負担軽減を図る観点から、旧JAS法由来事項の見直しに伴う改版時期に合わせて、旧食品衛生法由来事項についても、各事項の必要性の有無を確認し、廃止または維持とするのか、検討を行った。
名称、原材料名、保存の方法等に関する事項は、食品表示基準の横断的義務表示事項等で代替が可能と考えられるため廃止となった。
また、品質に関わるものであって、義務的表示である必要が無いと考えられる事項(乳、乳製品の無脂乳固形分及び乳脂肪分の重量%等)も、食品衛生に関する表示ではないと考えられるため廃止となった。一方、食品衛生上必要と考えられる事項等については、個別品目ごとの表示ルールが維持されるため、今後も対応が必要となる(※)。
なお、経過措置期間は①②いずれも2030年3月31日まで。
※参考:食品表示基準の一部改正について(令和8年1月)※4
3.食品表示基準等改正:食物アレルギーに係る事項(所管:消費者庁)
2024年度の「即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査」の結果を踏まえて、アレルギー品目の見直しが行われた(※)。
【食品表示基準】
- カシューナッツを「特定原材料」(別表第14)に追加する。
- 公布日から起算して2年間の経過措置を設ける:2028年3月31日まで。
【食品表示基準について】
- ピスタチオを「特定原材料に準ずるもの」に追加する。
【改正後の特定原材料、特定原材料に準ずるもの一覧】
| 特定原材料(食品表示基準別表第14) | 特定原材料に準ずるもの(通知で措置) |
|---|---|
| えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生 | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
※参考:食品表示基準の一部改正について(令和8年1月)※4
※1)消費者庁ホームページ:日本版包装前面栄養表示
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/contents_001/
日本版包装前面栄養表示ガイドライン
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/contents_001/assets/food_labeling_cms206_260219_11.pdf
※2)<参考情報>日本版包装前面栄養表示ガイドライン関するQ&A
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/contents_001/assets/food_labeling_cms206_260219_12.pdf
※3)日本版包装前面栄養表示様式ダウンロード
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/contents_001/download/
※4)消費者庁食品表示課「食品表示基準の一部改正について(令和8年1月)」
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/260206_shiryou2.pdf
食品におけるPL(Product Liability)リスクとは、食中毒や異物混入、表示ミス等により第三者に健康被害や損害を与えるリスクをいいます。
下記レポートでは、食品PLの最新動向をわかりやすく解説します。以下のリンクからご覧ください。
https://rm-navi.com/search/item/2491