レポート

<号外>「熱海市の土砂災害について」

2021.7.1

要旨

  • 2021年7月3日に静岡県熱海市において大規模な土砂災害が発生しました。被害に遭われた皆様には、心からお見舞い申し上げます。本レポートでは、今回の土石流による災害の概要および被害状況について報告します。
    ※本レポートは7月5日17時現在の情報に基づいて作成しています。

1.気象概要

2021年7月3日9時の地上天気図(図1)をみると、西日本から東日本の太平洋側に停滞前線がのびている。静岡県付近には停滞前線の"キンク"(前線で北側に屈曲した部分)がみられることから、 特に暖かく湿った空気が流入しやすい状況であったことがわかる。全国における72時間降水量の日最大値(図2)をみると、キンク付近で「観測史上1位」や「7月としての1位」が更新されており、 熱海市に近い御殿場や富士でも記録的な大雨(表1参照)となった。

図3は熱海市のアメダス観測所である網代の2021年7月1日午前0時から3日午後12時の時間別降水量(前1時間)である。これをみるとやや強い雨が断続的にあり、3日の午前中に一時的に強い雨があったこと、 ピークでも激しい雨(1時間雨量30mm以上、【表2】を参照)ではなかったことがわかる。

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