豪雨等による土砂災害の被害と対策【災害リスク情報 第59号】
2014.9.1
1. はじめに
今年7月に台風8号により長野県南木曽町で土石流による被害が発生、8月には豪雨により広島県広島市で土砂災害(図1参照)が相次ぐなど、土砂災害による痛ましい被害が発生している。被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げる次第である。
土砂災害が発生すると、人的被害や住家への物的被害のほか道路や橋等が分断されることで、施設や集落ごと孤立してしまう事例もある。本稿では、最近の土砂災害の発生状況と、国の取り組みについて触れ、土砂災害リスクへの対策について解説する。
2. 近年の土砂災害の発生状況
過去10年間の平均でみると、土砂災害は年間約1,000件も発生している。2013年においては、土砂災害が全ての都道府県で発生していることが分かる(図2)。
近年の土砂災害発生状況は図3のとおりで、このうち発生件数が多いのはがけ崩れである。
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