レポート/資料

2016年1月の寒波による影響と給排水設備の凍結・破損被害について【災害リスク情報 号外】

2016.2.1

はじめに

2016年1月23日から25日にかけて強い冬型の気圧配置となり、西日本の日本海側に寒気が流れ込み、九州地方北部などでは低温・凍結による給排水設備などの破損被害が相次いだ。本レポートでは、凍結による被害の特徴とともに、被害を軽減するための対策について紹介する。

1. 寒波の影響

1月24日9時および21時における日本列島周辺の地上天気図を図1に示す。約1500メートル上空において、赤線の-15℃以下の寒気が近畿地方から九州地方にかけて広がり、橙線の-6℃以下の寒気は日本列島全体を覆うように広がっている。この寒気によって、九州地方や山口県では各地が低温になったほか、強風や大雪が発生した。

低温によって各地で真冬日(昀高気温が0℃未満)となり、日昀低気温が山口県宇部市で-6.1℃(24日)、福岡市博多区で-4.4℃(25日)、佐賀市(川副)で-9.5℃(25日)を観測するなど、各地で観測史上1位を更新した。昀大瞬間風速は鹿児島県西之表市(種子島)で29.4m/s(24日)、長崎県対馬市(厳原)で25.1m/s(24日)を観測するなど、台風に匹敵するような強風が発生した。また、長崎市の昀深積雪が、観測史上1位の17cm(24日)となったほか、鹿児島県名瀬市(奄美大島)では115年ぶりに降雪を観測するなど、寒波によって特異な気象がもたらされたといえる。

2. 低温・凍結による給排水設備の被害

九州地方の各県で歩行者の転倒事故や高速道路の通行止め、鉄道、船舶、航空機の運休・遅延などが発生した。特に、凍結による水道管の破損被害が相次ぎ、断水や水圧低下となった様子は多く報道されている。

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