レポート/資料

火山活動による被害の概要と対策【災害リスク情報 号外】

2014.10.1

はじめに

2014年9月27日11時52分頃、御嶽山で噴火が発生しました。国土交通省中部地方整備局が設置している監視カメラでは、噴煙が南側斜面を3km超えて流れ下るのが確認されており、噴石や火山灰に多くの登山客が巻き込まれ、戦後最悪の火山災害となっています。被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

さて、我が国においては、各地で何度も大規模な火山災害を受けてきました。そこで、本稿では火山活動による被害の概要を整理し、火山のリスクの把握や火山灰対策等を解説します。

1. 御嶽山に関する各種情報と噴火による被害

(1) 火山活動の種類

火山活動には、水蒸気爆発とマグマ噴火の2種類あるが、9月27日の噴火は水蒸気爆発と公表されている。今後、マグマ噴火が発生するとさらに被害が拡大する恐れがある。これら2種類の火山活動は、以下のとおり説明される。

  1. ① 水蒸気爆発
    地下に蓄えられているマグマから伝わってきた熱が、火山体内部に滞留する地下水を加熱・気化させることにより水蒸気と火山灰を放出する爆発的な噴火活動である。噴出物にマグマ物質は含まれないが、火口周辺の岩が砕けて噴石や火山灰となって飛び散る。
  2. ② マグマ噴火
    マグマが地表に到達し、爆発ないし噴出する噴火であり、火口から溶岩流や火砕流、噴石等が噴出する。

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