レポート/資料

超高層建築物における長周期地震動の影響と対策について【災害リスク情報(2014年4月)】

2014.4.1

1. はじめに

東日本大震災では、震源に近い東北地方だけでなく、震源から遠く離れた関東圏や関西圏の超高層建築物(高さが60mを超える建築物)が長時間にわたり大きく揺れた。これら超高層建築物の柱や梁といった主要構造部への被害は見られなかったものの、一部の建物では天井や内壁などの非構造部材や、各種配管、設備などに被害が発生した。また、家具や什器・備品の転倒・移動なども現れた。

現在、日本の超高層建築物は2,500棟を超えていると言われているが、これらを建築する場合、時刻歴応答解析等の特別な検証法にて耐震設計を行うこと(大臣認定)が建築基準法にて義務付けられている。その際、過去の地震観測記録等を用いて耐震設計をしてきたが、近年の調査・研究の結果、長周期地震動に対する備えが十分ではないことがわかってきている。このような状況に対応するために、国土交通省では超高層建築物の建築基準の見直しに向けた動きや、制震改修等に対する補助制度の新設といった施策が実施されている。

本稿では、長周期地震動により超高層建築物に発生が懸念される状況や、実施したい対応策をまとめる。また、対策を促進させるための国土交通省の取組を紹介する。

2. 長周期地震動による被害の様子と主な対策

(1)長周期地震動と超高層建築物の共振について

地震の揺れ(地震動)には揺れはじめから終わりまでの間に、短い周期※のガタガタした揺れや長い周期のゆったりとした揺れなど、様々な周期の揺れが混じっている。「長周期地震動」とは、長い周期の揺れを多く含んでいる地震動のことである。長周期地震動は短い周期の揺れに比べて揺れが減衰しにくいため、震源地から遠く離れた場所まで伝わる性質がある。

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