レポート/資料

オフィスの災害対策【災害リスク情報(2013年3月)】

2013.3.1

1. オフィスの災害対策を考えるにあたっての観点

東日本大震災を契機として、事業継続計画(BusinessContinuityPlan、以下BCP)に注目が集まっている。被災後に、事業を継続・早期復旧するためには、BCPに代表される計画やマニュアルといったソフト面の対策と、設備等のハード面の対策をバランスよく進めるとともに、社員への教育・訓練を継続して行うことが重要である。

現在、日本企業がBCPの策定を検討する場合、地震災害を想定することがほとんどである。地震は、自社の様々な経営資源に加え、顧客や取引先といった様々なステークホルダーにも同時に被害を与えるため、対策の検討が急がれるからである。平成19年の消防法改正で、防火・防災管理者の設置が一定規模以上の事業所に義務付けられたが、ここでいう防災も主に地震を想定したものである。従来の火災対策に加えて地震対策が義務付けられたことを踏まえると、いずれの企業においても、まず地震への備えから検討することが合理的である。

さて、地震対策にあたって、特に効果が高いのは建屋そのものの耐震性を見直す対策である。既存建屋の耐震補強、免震構造を採用した建屋の建築、耐震性が低い建屋からの移転等が具体策となる。

大手電機製造業A社は、従来から計画的に耐震性の低いビルからは退去し、また、津波や洪水による浸水被害が想定される地域の拠点は、浸水による被害を避けるため十分な耐震性能を備えたピロティ形式(2階以上の建物において1階部分を柱とした形式の建物)に建替えるなど、建屋そのものを見直すことで被害を昀小限に留める取組みを進めてきた。その結果、東日本大震災においては、地震や津波による被害を昀小限に留めることができ、事業復旧も同業他社に比べて、月単位で早かった。

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