レポート/資料

高層住宅における地震対策について【災害リスク情報(2011年8月)】

2011.8.1

1. はじめに

消防法によると、高層建築物とは高さが31m以上の建築物と定義されています。総務省消防庁の集計によれば、この高層建築物は、日本全国で平成6年の集計開始以降、増加傾向にあり、平成18年には40,000棟を越えています[1](図表1)。このように増加している高層建築物ですが、強い地震動が発生すると、エレベーターやライフラインの停止により、入居者の活動に大きな影響が及ぼされる可能性があります。特に、高層住宅においては、地震発生後、どのような影響がどれくらいの期間で発生するのかを想定し、地震後に居住しつづけるために対策を講じることが必要です。本稿では、ライフラインの復旧期間データおよび国や自治体の調査結果を基に、高層住宅の地震対策状況についてまとめてみました。

2. ライフラインの復旧日数

東日本大震災では、地盤液状化によるライフラインの停止が確認され、千葉県等の一部地域で長期間の復旧日数を要したことが明らかになっています。特に、上水道やガス管等のように設備が埋設されているライフラインの場合、地盤液状化等によって損傷を受けると復旧期間は長くなる傾向があります。このような事態への対策を検討するため、自治体では近隣で起こりうる大きな地震を想定し、ライフラインの復旧予測日数を見積もっています。

ここでは、千葉県浦安市における東日本大震災後のライフラインの復旧日数[2]と浦安市が想定している浦安市直下地震による復旧予測日数[3]とを比較検討しました。

図表2によると、いずれのライフラインであっても浦安市直下地震による復旧予測日数よりも東日本大震災後の復旧日数の方が短いことが分かります。これは、そもそも地盤液状化や設備損傷の程度に関係のある地震動の大きさが異なっており、東日本大震災による当該地域の計測震度が 5強であったことと復旧予測日数の算出の条件としての震度が 6弱~6強として設定されていることが要因でしょう。当然ながら、当該地域で震度 6弱~6強の地震動となった際には、東日本大震災によるライフラインの復旧日数よりも長い復旧日数が必要となることが想定されます。

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