腰痛を起こさない職場作り【労災リスク・インフォメーション(2014年10月)】
2014.10.1
1. はじめに
腰痛は特定の業種のみならず、様々な業種及び作業において発生することが知られており、労働衛生上重要な課題となっている。厚生労働省では、平成6年9月に「職場における腰痛予防対策指針」を示し、主に重量物を取り扱う事業場等に対して、啓発や指導を行ってきた。
しかし、平成25年における業務上疾病者数(休業4日以上)7,310人のうち、腰痛(災害性腰痛)罹患者は4,388人と、全体のおよそ6割を占めており、いまだに多い状況である。また、近年の高齢者介護等の社会福祉施設における腰痛発生件数が大幅に増加している状況も鑑みて、厚生労働省は平成25年6月に「職場における腰痛予防対策指針」の改訂を行った。
本稿では、当該指針に沿った腰痛予防対策について解説を行う。
2. 腰痛の症状とその原因
(1) 脊柱(せきちゅう)の構造とその働き
腰部の構造や働き(機能)、運動について知ることは、腰痛の予防や治療に有効である。体の中心には、図表1左図のように7個の頚椎(けいつい)、12個の胸椎(きょうつい)、5個の腰椎(ようつい)、5個の仙椎(せんつい)、3~4個の尾椎(びつい)からなる脊柱があり、体の各部や外からかかる負荷を支えている。前屈やひねり等の運動、姿勢の制御、脊髄と神経根の保護も脊柱の大事な役目となっている。
脊柱を形成する脊椎の構成を図表1右図に示す。椎体と椎体の間に、線維輪(弾力性のある組織)と髄核(ゼラチンのようなもので水分を含んでいる)から構成されている椎間板があり、それが脊柱を上下につなぎ、脊柱に加わる圧力や衝撃を緩和したり、脊柱にたわみを与えたりしている。
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