レポート/資料

企業に求められるメンタルヘルス対策【労災リスク・インフォメーション 第2号】

2011.11.1

1. はじめに

近年、高度情報化、グローバリゼーション、長期的な景気低迷と雇用環境の悪化などの社会経済情勢の変化、労働者の就業意識や働き方の変化などに伴い、仕事に関して強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合が高い水準で推移しています。その結果、業務による心理的負荷を原因として精神障害を発病し、あるいは自殺に至る事案が増加しているなど、事業場でのメンタルヘルス対策に関する一層の取り組みは極めて重要な課題となっています。さらに、東日本大震災の発生に伴い、就業時間が不規則になるなどの影響による労働者の心身への負担増加も検討課題とされています。

本稿では、労働者の心の健康に関する現状、メンタルヘルス対策の必要性、企業に求められる対策および事業場外の支援機関等について紹介します。

2. 労働者の心の健康に関する現状

(1) 強い不安、悩み、ストレスに関する状況

厚生労働省が昭和 57年(1982年)から5年ごとに実施している労働者健康状況調査結果によると、職場生活においてストレス等を感じる労働者の割合は増加傾向にあり、平成19年に実施した直近の調査結果では、その割合は58.0%に上っています(図表1参照)。

また、ストレス等を感じている労働者がその原因を回答しており、職場の人間関係、仕事の質、仕事の量が上位を占めています(図表2参照)。

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