南海トラフ巨大地震による東京都での被害想定公表とBCPへの影響【BCMニュース 2013年 第3号】
2013.7.1
1. はじめに
2013年5月14日に東京都から「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」報告書が公表された。同報告書により、これまで大まかな内容しか把握できていなかった東京都における南海トラフ巨大地震による被害想定の詳細が明らかとなった。しかしながら、都内に本社が所在する企業においては、東京湾北部地震を想定したBCPは策定しているものの、南海トラフ巨大地震による東京本社への被害は未検討のケースが少なくない。このような状況を踏まえ、本稿では、都内の企業において東京湾北部地震を想定したBCPがはたして南海トラフ巨大地震の被害を考慮した場合にも有効に機能するのかについて検証していきたい。
2. 東京都における南海トラフ巨大地震の被害想定
東京都から発表された「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」報告書(以下、「本報告書」)は、「①区部・多摩の被害想定」と「②島嶼部における被害想定」に大別されている。本稿では、都心部に本社がある企業のBCPへの影響を検証することを目的としているため、「①区部・多摩の被害想定」を前提に話を進めていく。なお、島嶼部では地震発生から10分程度で最大30m程度の津波高が想定されている箇所もあり、津波対策が重要となっていることに留意が必要である。
(1) 震度分布
東京都における南海トラフ巨大地震による震度分布(左下図)を見てみると、一部の地域では震度6弱が予想されているものの、区部・多摩の大半の地域で5強となっている。2012年4月に東京都から公表された東京湾北部地震による震度分布(右下図)と比較しても揺れが小さいことが予想されている。
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