レポート/資料

医療機関におけるBCP策定のポイント【BCMニュース 2011年 第7号】

2011.11.1

1. はじめに

大地震発生時に備え、医療機関は災害時要援護者(※)である「患者」の生命を助けるために、一般的な企業よりも入念な事前対策(BCP)を講じる必要がある。本稿ではそのような「患者の安全確保」のために医療機関が講じるべき対策のポイントを、「地震発生~直後のタイミング」及び「地震発生後しばらく経過し、医療機関内の資源が使用不能な状況におけるタイミング」の二つの時点に分けて、紹介する。

災害時要援護者とは、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動を取るのに支援を要する人々。

1. BCP策定の必要性

医療機関においては、以下のようなリスク特性及び避難所として期待される役割を持つため、一般的な企業よりも入念な地震対策(BCP)を検討しておくことが必要となる。

(1) キャスター付機器が多い

車椅子、ワゴン、ベッド、人工呼吸器、人工透析機等、医療機器には「キャスター付き」のものが多いが、これらの機器は地震発生時の挙動が大きいため、患者や医療スタッフ等に衝突しケガをさせる危険性がある。

(2) 患者は「災害時要援護者」である

患者等は、手術中、寝たきり等の事情で自力で逃げることができなかったり、地震の揺れによって人工呼吸器、点滴・酸素チューブ等が外れることで、生命に危険が及ぶ可能性がある「災害時要援護者」である。

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