レポート/資料

幼稚園におけるBCP【BCMニュース 2011年 第5号】

2011.9.1

1. はじめに

東日本大震災による地震動や津波により多くの命が奪われた。未来を担う子どもたちを育成する学校関係者(国立学校、公立学校、私立学校)における死亡者は618名、その内、幼稚園の園児の死亡者は71名(平成23年8月8日現在)である。

自分で危険を察知して適切な対応をとることが困難な災害時要援護者の中でも、これまでの犠牲の実態から高齢者や障害者の支援が優先されやすい傾向にあり、園児を守るのは保護者や保育者以外にないといっても過言ではない。

東日本大震災を踏まえ、自園の大規模地震災害対策を見直されている幼稚園関係者の方々も多いと思われる。本稿では、今後発生が懸念される首都直下地震等の災害を見据え、幼稚園におけるBCP(Business Continuity Plan「事業継続計画」)について解説する。

文部科学省:「東日本大震災による被害情報について(第149報)」による

2. 幼稚園におけるBCPのポイント

幼稚園におけるBCPの第1の目的は「人命の安全確保」であり、第2の目的は最重要業務である「保育の継続・早期再開」である。従って、幼稚園BCPにおいてはこの2つの目的に向かっていかに被害を低減し、いかに復旧時間を短縮するかがポイントとなる。

目標とする被害低減レベルや復旧時間は、幼稚園により異なるが、周辺社会において当該園が果たしている役割や自園の経営体力などに基づき、いつまでにどのように保育を再開するか、それぞれの幼稚園の実情に応じた目標を定めることが重要である。

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