2022年度 No.4「事業継続対策としての電子ツール活用(社印、領収書、営業許可証) 」
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2023.1.1
要旨
- 3年に及ぶコロナ禍を通じて、多くの企業がテレワークによる業務継続に注力してきた。
- テレワークで業務を行う上でのボトルネックは、社印、発票(税務処理に必要な領収書)が代表的である。これらのモノは通常会社に保管しており、出社できない期間が長期に及ぶと、契約や財務・税務業務が中断してしまうことになる。
- 本稿では、こうした社印や発票が必要な業務をデジタル化できる手法・ツールを紹介する。
1. はじめに
中国各地で実施された都市封鎖・地域封鎖(ロックダウン)は、企業活動にも大きな影響を与えた。例えば、上海における都市封鎖は、当初数日間との予告で始まったものが最終的には2カ月に及んだ。多くの企業は、この間事業所に出社できず、最低限の業務をテレワークで継続する必要に迫られた。工場や倉庫等での作業は、大部分が長期間の停止を余儀なくされた。
こういった状況の中でも、財務・税務や契約の締結・履行といった業務は、テレワークで継続する必要があるが、業務に必要な経営資源である社印や発票のプリンタ、営業許可証等を会社から持ち出すことができないことにより、「契約書に押印できない」、「必要書類を用意できず、入札に参加できない」、「発票を発行できない」といった問題に多くの企業が直面した。
このようなリスクに対して、業務のデジタル化は特に有効な対策となり得る。本稿では、政府機関が提供するデジタルツール(電子営業許可証、電子印鑑、電子発票)について、その概要と利用上のポイントを紹介する。
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