2022年度 No.3「中国・消防関係法規への対応のポイント(製造業等)」
2022.12.1
要旨
- 消防関係法規は、年々細分化・厳罰化の方向へ進んでおり、企業(主に製造業)の現場状況が法規制に適合していないとして、処罰を受けるケースが頻発している。
- 消防関係の法基準は、国や省市が各々定めるため多岐に及び、数値的な基準も少なくない。一方で、「自社にどの法規が適用されるか」さえも十分に把握できていない企業が多い。
- 本稿では、法規不適合となる現場の典型的な事例を説明した上で、企業における対応のポイントについて解説する。
1. 消防関係法規に対する企業の現状
中国で製造等を行う企業が、消防関係法規(以下、消防法規)への対応に苦慮する事例が多発している。ここでいう消防法規とは、中華人民共和国消防法をはじめ、危険化学品安全管理条例等の国家消防行政法規、各省市や各自治区が定める消防条例等の地方消防法規、建物や消防設備等に関する技術要求である国家標準(GB)等を指す。
近頃、弊社が防災関係の調査やコンサルティングを行う中でも、企業の安全責任者より「以前よりも消防検査実施の頻度が増え、指摘事項が増えた」「思いがけない指摘をされることが多く、どのように事前対策を講じれば良いか分からない」といった悩みを耳にする機会が増えた。これには、以下のような事情が関係しているものと考えられる。
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